HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

* 韻律学 Metrik :ゲーテ 「ファウスト」: 第二部 第三幕 ヘレナ 

* ケンタウルス族の賢者 ヒロン: 「ファウスト」 第二部 第二幕より

・ヒロンは半人半馬の怪物であるケンタウルス族の賢者で、野蛮で粗暴な一族の中で例外的な存在である。 7331 ~: ファウストとヒロンの対話も脚韻を踏み書かれている。 Dialog im Sprech-Vers: ヒロン: 何じゃ、何ごとじゃ ファウスト: 馬をお止めください …

*早呑み込みで お前たちは・・:

2.城の中庭 Innerer Burghof: 9127-- 9573 : この場面の冒頭、9127- 91は、やはり、古代ギリシア悲劇の無韻の音韻形式で書かれている。すなわち、ヤンブス・抑揚・短長格のトリメーター・3音格詩である。そして、これは合唱隊、あるいは、合唱隊を指揮す…

* 四人来て 三人帰ったな: 「ファウスト」第二部 第五幕 真夜中より

真夜中に四人の灰色の女が来て、ファウストの棲む宮殿から、第一の女《不足》Mangel、第二の女《罪》Schuld、そして第四の女《苦しみ》Nothの三人は、受け入れてくれないと観念して去ったあと、鍵穴から そっと入り、残ったのは 第三の女《憂い》Sorgeである…

*恋のいろはの手習いも結構・:メフィストフェレスの闖入 

・9419- 34: Phorkyas 次のフォルキアスの台詞は、トロケーウス揚抑・長短格の4脚で書かれ、パロディー化しつつ韻を反復している。zB. 21行までは3回、9422行以下は3行ごとに5回、韻を踏んでいいる。例えば、こんな風に: Fiebeln-Liebeln-Grubelnと3回…

*トロヤの娘の合唱隊とフォルキアスとの悪口合戦:「ファウスト」第二部 第三幕 より

* 8810~ 8825 : この箇所は、詩句問答Stichomytie 、隔行・対話形式で書かれ、トロヤの娘たちによる合唱の女たちと、フォルキアスの間で交わされる華々しい口争いで、売り言葉に買い言葉の、互いに侮蔑と誹謗の言葉を投げ合う悪口合戦の態をなしている。 * …

* おしなべて 太陽が純金と・: ゲーテ「ファウスト」第二部

・4728~5064行 : この箇所は対話形式の韻文で書かれ、4-5の揚音・強音が自由に、あるいは、相互に繰り返されていく。 4955行~ :皇帝の 玉座の間にて: ・天文博士:Astrolog (但し メフィストフェレスも小声で同じ言葉を繰り返している。 おしなべて 太陽が…

* さっと 立ち去ることだな: 「ファウスト」真夜中

Faust: Entferne dich : さっさと 立ち去ることだな 用はない: Die Sorge: Ich bin am rechten Ort: いいえ 居させてもらうわ ファウスト: 始めは 怒りが込み上げてきたが、やがて、 気を静めて: ならば 呪文は 口にせぬことだ 憂い: わたしの声は 耳からで…

* この不届きな 邪魔者めが・・: 

9435~ 41行: Faust; このファウストの台詞は古代ギリシアのトリメーター、即ち、3音格詩で書かれている。: この不届きな 邪魔者めが 厚かましくも 押し寄せてきたか こんな非常なときに 無意味な騒ぎは 許されまいぞ 美しい使者とて 悪い便りをもたらすは …

*お二人は 次第に 身を寄せ合い・・:

前回はヘレナとファウストの愛の告白の場面だったが、それを讃える合唱部,Chor:9385-9410行は、トリアーデ、即ち、1.シュトローフェ2.アンチシュトローフェ、そして3.エピシュトローフェの構成で書かれている。 ・9401~: お二人は 次第に 身を 寄せあ…

* ねえ どうすれば あのように 美しく :愛の告白

*9377- 84行 :Helena und Faust この箇所はヘレナとファウストとの愛の告白の場面で、毬を互いに投げあい受け取るように、言葉と意味を交わしながら、二人の心がやさしく結ばれてゆく。韻はヤンブスの5脚で、無韻のブランクフェルス、そして脚韻はパールライ…

*みずから引き起こした罪を この手で・・:

9246~ 72 :Helena : このヘレナとファウストの対話の場面は、9192以下、そして、9333-45のFaustの台詞や、9356-76のヘレナとファウストの対話の場面と同様、それまでのトリメーターに代わって、近代的なブランクフェルス、抑揚・短長格の5脚無韻詩で書かれ…

*アヤックスの盾には絡みつく蛇が:「ファウスト」第2部 より

* 8909- 9126 : ・この箇所はフォルキアスの台詞、「薄曇りの朝の間から人目を喜ばせ、輝きまばゆく大空を支配する真昼の太陽よ!.」以下、第三幕その1の最後までの場面であるが、それまでのヤンブスのトリメーター、短長・抑揚格の3音格詩が、トロケーウス…

* 遠くで 白鳥の啼くのが・・:「ファウスト」第二部 「ヘレナ」 より 

*9078- 9121 行 :合唱 より この箇所も前の合唱部と同じ構成から成り立っている。即ち、1.フォア・シュトローフェと2.シュトローフェ、3.アンチ・シュトローフェ、そして4.エピ・シュトローフェである。 9099行 ~: 3の箇所 から :-- けれど おや …

*お黙り お黙り 嫌らしい目つきで・・: 「ファウスト」第二部 「ヘレナ」より 

* 8882- 9808 行 :合唱部 この箇所は4節よりなり、1.Vor-Strophe 5行と、2.シュトローフェ8行、3.アンチ・シュトローフェ8行、4.Epi-Strophe の6行からなる三和音である。(*因みに、4.のエピ・オーデ Epi-Odeとは、ギリシア劇における末段のこ…

*フォルキアスの娘たち 「ファウスト」 第二部・第三幕 8728- 8748 より

・フォルキアスの娘たちの中の 誰なの おまえは わたしは おまえを あの醜い姉妹に 比べてみたわ 嗚 生まれながらの 白髪で 代わるがわる 一つ目と 一本歯を 使ったという フォルキアーデンの 娘たちのひとりなのね おそらく その姿からみて・・ Bist du vie…

*イリオイの城壁は まだ残って・・:「ファウスト」第二部 より (承前)

・スパルタのメネラス王の 宮殿の前 Vor dem Pallaste des Menelas zu Sparta *8697- 8753 行 : ・この合唱部の箇所は、9節からなっていて、1と2はそれぞれ5行づつ、3と4はそれぞれ6行づつ、そして5節目はメソーデといって、中間節となっており、ま…

*悲しい 囚われの女たちよ: ゲーテ「ファウスト」 より

*第二部 第三幕 ヘレナ より : ・次の合唱部の歌は、全体がトロケーウス (抑揚・長短格)のリズムで書かれている。: 未来に 起こることは 何もわからないわ お妃さま ご安心あそばして お城へいかれますよう よいことも 悪いこととも 予期せぬときに 訪れるの…

*美人の誉れは 何にも優る 尊いもの: ゲーテ「ファウスト」 第二部 第三幕 より

*スパルタのメネラス王の宮殿の前: この場面全体は、古代ギリシア悲劇の音韻形式、即ち、短長・抑揚格(ヤンブス)のトリメーター(3音格詩)で書かれているが、次の箇所は短短長・抑抑揚格のアナペストとヤンブスからなる4揚格、あるいは、ときには 2揚格で…

*「古代ワルプルギスの夜」: 魔女 エリヒトーの独白:

*場面は: ファルザスの古戦場で、辺りは 暗黒である。 魔女・エリヒトーの独白 : ハーイ、あたしはエリヒトー、夜の魔女よ 毎年のことだけど、今宵も 魔女たちの祭りに 参上したわ やくざな詩人たちが、大げさに悪しく言うほど 不気味な女では ないのよ 褒め…