* 韻律学 Metrik :ゲーテ 「ファウスト」: 第二部 第三幕 ヘレナ
* 8909- 9126 : ・ この箇所はフォルキアスの台詞、「薄曇りの朝、輝きまばゆく真昼の太陽よ!.」以下、第三幕その1の最後までの場面であるが、それまでのヤンブスのトリメーター、短長・抑揚格の3音格詩がトロケーウスの長短・揚抑格のテトゥラメーター、即…
* 8810~ 8825 : この箇所は、詩句問答Stichomytie 、隔行・対話形式で書かれ、トロヤの娘たちによる合唱の女たちと、フォルキアスの間で交わされる華々しい口争いで、売り言葉に買い言葉。互いに侮蔑と誹謗の言葉を投げ合う悪口合戦。 * 8810 ~: ・合唱を…
メフィストフェレス: Mephistopheles : なるほど さすが学者ですな 手で触れなければ 何マイルも 遠くのものと 変わりない 握らなければ 無きも同然 数えてみなければ 眉唾(まゆつば)ものというのですな・・ 秤にかけてみなければ 重さもなく お金も みずか…
・4728~5064 : この箇所は対話形式の韻文で書かれ、4-5の揚音・強音が自由に、あるいは、相互に繰り返されていく。 4955~ : 皇帝の 玉座の間: ・天文博士:Astrolog: メフィストフェレスも小声で同じ言葉を繰り返している。: おしなべて 太陽が 純金と いた…
・ヒロンは半人半馬のケンタウルス族の賢者。 粗暴な一族の中で例外的な存在。 7331 ~: ファウストとヒロンの対話も脚韻を踏む。 Dialog im Sprech-Vers: ヒロン: 何ごとじゃ ファウスト: 馬をお止めください ヒロン: いや、とめぬ ファウスト: では 一緒に…
・フォルキアスの娘たちの誰なの わたし あの醜い姉妹に比べてみたわ 生まれながら白髪で 代わるがわる 一つ目と一本歯を使った フォルキアーデンの 娘たちのひとりなのね ---Bist du vielleicht der grau-gebornen , Eines Auges und Eines Zahns Wechselsw…
* 8909- 9126 : ・この箇所はフォルキアスの台詞、「薄曇りの朝、輝きまばゆく真昼の太陽よ!.」以下、第三幕その1の最後までの場面であるが、それまでのヤンブスのトリメーター、短長・抑揚格の3音格詩がトロケーウスの長短・揚抑格のテトゥラメーター、即…
・ヒロンは半人半馬の怪物であるケンタウルス族の賢者で、野蛮で粗暴な一族の中で例外的な存在である。 7331 ~: ファウストとヒロンの対話も脚韻を踏み書かれている。 Dialog im Sprech-Vers: ヒロン: 何じゃ、何ごとじゃ ファウスト: 馬をお止めください …
2.城の中庭 Innerer Burghof: 9127-- 9573 : この場面の冒頭、9127- 91は、やはり、古代ギリシア悲劇の無韻の音韻形式で書かれている。すなわち、ヤンブス・抑揚・短長格のトリメーター・3音格詩である。そして、これは合唱隊、あるいは、合唱隊を指揮す…
Faust: Entferne dich : さっさと 立ち去ることだな 用はない: Die Sorge: Ich bin am rechten Ort: いいえ 居させてもらうわ ファウスト: 始めは 怒りが込み上げてきたが、やがて、 気を静めて: ならば 呪文は 口にせぬことだ 憂い: わたしの声は 耳からで…
9435~ 41行: Faust; このファウストの台詞は古代ギリシアのトリメーター、即ち、3音格詩で書かれている。: この不届きな 邪魔者めが 厚かましくも 押し寄せてきたか こんな非常なときに 無意味な騒ぎは 許されまいぞ 美しい使者とて 悪い便りをもたらすは …
前回はヘレナとファウストの愛の告白の場面だったが、それを讃える合唱部,Chor:9385-9410行は、トリアーデ、即ち、1.シュトローフェ2.アンチシュトローフェ、そして3.エピシュトローフェの構成で書かれている。 ・9401~: お二人は 次第に 身を 寄せあ…
*9377- 84行 :Helena und Faust この箇所はヘレナとファウストとの愛の告白の場面で、毬を互いに投げあい受け取るように、言葉と意味を交わしながら、二人の心がやさしく結ばれてゆく。韻はヤンブスの5脚で、無韻のブランクフェルス、そして脚韻はパールライ…
9246~ 72 :Helena : このヘレナとファウストの対話の場面は、9192以下、そして、9333-45のFaustの台詞や、9356-76のヘレナとファウストの対話の場面と同様、それまでのトリメーターに代わって、近代的なブランクフェルス、抑揚・短長格の5脚無韻詩で書かれ…
*9078- 9121 行 :合唱 より この箇所も前の合唱部と同じ構成から成り立っている。即ち、1.フォア・シュトローフェと2.シュトローフェ、3.アンチ・シュトローフェ、そして4.エピ・シュトローフェである。 9099行 ~: 3の箇所 から :-- けれど おや …
8882- 9808 行 :合唱部 この箇所は4節よりなり、1.Vor-Strophe 5行と、2.シュトローフェ8行、3.アンチ・シュトローフェ8行、4.Epi-Strophe の6行からなる三和音である。(*因みに、4.のエピ・オーデ Epi-Odeとは、ギリシア劇における末段のこと…
・スパルタのメネラス王の 宮殿の前 Vor dem Pallaste des Menelas zu Sparta *8697- 8753 行 : ・この合唱部の箇所は、9節からなっていて、1と2はそれぞれ5行づつ、3と4はそれぞれ6行づつ、そして5節目はメソーデといって、中間節となっており、ま…
*第二部 第三幕 ヘレナ より : ・ 次の合唱部の歌は、全体がトロケーウス (抑揚・長短格)のリズムで書かれている。: 未来に起こることは 何もわからないわ お妃さま ご安心あそばして お城へいかれますよう よいことも悪いこととも 予期せぬときに 訪れるの…
*第二部・第三幕 ⑵ から 城の中庭でのファウストと絶世の美女ヘレナとの愛の告白の場面(9377~84) ここでは毬を投げ、毬を受けるように、言葉と意味を交わしながら、心が結ばれてゆく場面 ヘレナ: ねえ、どうすれば あのように美しく お話しできるのから。 …
*場面は: ファルザスの古戦場で、辺りは 暗黒である。 魔女・エリヒトーの独白 : ハーイ、あたしはエリヒトー、夜の魔女よ 毎年のことだけど、今宵も 魔女たちの祭りに 参上したわ やくざな詩人たちが、大げさに悪しく言うほど 不気味な女では ないのよ 褒め…