HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

ゲーテ「西東詩集」 覚え書き

*比喩としての銀杏の葉 ゲーテの詩から

83年という長い星霜の、その大半を休むことなく精力的に活動しつづけたゲーテだが、ゲーテの晩年(65歳)の詩に、銀杏をうたった一篇がある。 約250篇からなる「西東詩集」West-ostlicher Divan のなかの一篇で、こんな詩である。 東方の国から はるばる わが…

*意識的な散文  《西東詩集》覚え書き ⑥

ゲーテの晩年になった「西東詩集」は、詩的様式が散文に著しく近づいていった。そこには体験内実と表示される意識との間に、<距離>があったからである。故に、そこでは半ば抒情的に教訓が語られるという表現形式が多々見られるのである。言い換えるならば、…

*第二の青春 マリアンネ 「西東詩集」覚え書き ⑤

ゲーテ晩年になった「西東詩集」の萌芽として、新たな恋愛対象として出逢ったマリアンネ・フォン・ヴィレマーがいる。このマリアンネはズライカとして「西東詩集」に重要な形姿として現われてくる。つまり、そこには最後の恋愛体験としてのマリアンネ体験に…

*「昇天の憧れ」Selige Sehnsucht   「西東詩集」 より ④

ところで、ペルシア的東洋の中に、東洋の人間的中心として一人の崇拝者たるハーフィスを見たゲーテは、そのハーフィスに懐かしさを感じる。*** 誰にも 告げるな 賢者のほかは 衆愚は すぐに 嘲笑ふから わたしは 讃えるのだ その生きものを 炎に 焼かれ 死を…

*「ヘジラ」 「西東詩集」ゲーテ ③

「西東詩集」はゲーテ晩年になった作だが、東洋はまさに族長的な世界の地であった。そして、それは瞑想的な老年ゲーテの気分に適合した。そのような現実性から隔たった避難所としての東洋にゲーテは親縁性を見たのであった。 巻頭の詩、ヘジラHegire(移住)は…

*異国の詩人、ハーフィス 「西東詩集」ゲーテ より ②

さて、「西東詩集」の理解には次の三つの視点からみてみるといい。 その①はゲーテが遠い場所、東洋に目を向けたのは何故か、そして異国の詩人ハーフィス(1320-1389)に模範を執ったのは何故かということ。 その➁はいくつかの書からなるこの詩集の内実とその区…

*「西東詩集」 ゲーテ 覚え書き

「西東詩集」West-Ostlicher Divanはゲーテ晩年(65-66歳)の作である。1749年生誕のゲーテは1832年に物故するまで、83年という星霜を生き抜き、かつ、その大半を休むことなく精力的に活動しつづけた文豪・詩人であり、その間にはワイマールという小公国で宰相…