HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

ドイツ抒情詩選 拙訳より

*「トリスタンとイゾルデ」   プラーテンの詩 拙訳から

*これはアラビアやペルシアのガゼル詩形の形式美を駆使して、ドイツ詩に新たな地平を切り開いたプラーテンのロマンティックな詩から、訳出してみた。--因みに、プラーテンは晩年のゲーテとも多少の親交のあった形式美に優れた詩人である。** うつくしき きわ…

*ポーズをとった愛犬ターキーとタルティーニ メーリケ 愛の書簡集 より

このポーズをとったターキーを見ていると、よく声を出して笑ってしまいます。朝方、目覚めると声をかけてやるのですが、それはあのイタリアの作曲家、タルティーニの「悪魔のトリル」を聞いている際に、その誇張した演奏の特徴を呟いているときと変わらない…

*ドイツリート と ヴォルフ と メーリケ ④

*1875年のメーリケの死後、彼の才能を理解するひとは、ほんの一部にすぎなかったが、19世紀末になると、次第にシュヴァーベン・アレマン地方で評価されはじめ、その後、H.ヴォルフWolf/によってドイツリートと して作曲されると広く広まり、 メーリケの評価…

*「プラハへの旅路のモーツァルト」 メーリケ解明 ③

*1834年、30歳の時、ヴァインベルク近郊の牧師になったメーリケは、母や姉のクララを呼び寄せ、そこでの9年間を生涯で最も幸せに暮らしたが、1841年に母が亡くなると、彼自身も病気がちになるや、40代で年金生活者となっていた。 ・その後、1850年、46歳の時…

*抒情詩において 抜きんでていた詩人 メーリケ解明 ⑵

*ゲーテ以降で、その多様性と独創性で、メーリケほど抒情詩において抜きんでた詩人は、そう多くは見当たらないのだが、彼の生涯は決して、耀いていたのではなかった。寧ろ、憂慮に富んだものであったのだ。--zB./弟の死、姉の衰弱、別の弟カールの政治活動に…

*メーリケ解明  Morike :

*1875年6月4日、シュトゥットガルトで亡くなったメーリケ(享年71歳)は、それより10年前に、すでに詩作は衰退していたが、最も旺盛だったのは、1837年から38年にかけて(33歳から34歳)で、38年には150篇の詩を書き、一冊に纏(まと)めていた。 *彼の死の20年前…

*木の葉が落ちる シュトルム詩 拙訳から

霧がたちこめ 木の葉が 落ちる ワインを注(つ)げよ まろやかな ワインを !... この憂き日を かがやかしい日に したいのだ 外は 荒れ狂っているが この世は すばらしいのだ かくも 神々しきゆゑに !..... けれども ときおり こころは 泪に濡れる だが それに…

*魅せられしもの・ 拙訳・ドイツバロック詩選 から

*ホフマンスヴァルダウの 詩から: 噫 魂を 歓びで 駆り立てしものよ そは 天国なる ワインよりも 甘く 汝れより 注(つ)がれしを のぞみ 噫 富める宝物より 好ましきものよ そによりて こころ 強くもなり はたまた 感情の 傷つきしときの ありしも そは 薔薇…

*「人間の哀感」と徒然草・第七段  拙訳・ドイツ バロック詩選 より

「あだし野の露・・」で始まる徒然草・第七段にみえる 深い 人生観。 これと似て、ドイツの最も傑出したバロック詩人、グリューフィウスにもこんな詩がある。 (拙訳詩集 から) 人間の哀感 Menschliches Elende : 嗚呼 人間とは いったい 何なのか 怖ろしき …

*朝 まだきに メーリケ 詩より

わが眼(まなこ ) いまだ 醒めやらず 朝陽の いできて 窓辺に 一日の 始まりを 告げしなり・・・ されど わがこころ 乱れ 逡巡し 惑ふは なにゆゑなりしか・・・・ すると 忽然 幻影の 顕(あらわ)れくるや そは かく告げしをり・・・ <汝が 魂よ 慄(おのの)く…

*愛と惜別(三段階の嚇し) ザラー・キルシュ より

はやく ゆきなさいよと 乙女は 月に 語りかける・・ 月が 大きな馬車に 積み込まれたからだ・・ 月は 白い歯を見せ 乙女に 頷うなづくと 転がるように 立ち去っていた・・・ 扉の引手を 押さえつけて 何になるのよ 乙女は 風に 語りかける 煤すすと 雨まじり…

*「歌の翼に」   ハイネ 

メンデルスゾーンの曲で知られる ハイネの詩 (拙訳) から: 歌の翼に 乗りて ガンジスの平原に きみを つれてゆきたい そこは ぼくの知る 遙かな 美しきくに かの国は 月影さやかに 花園は 紅く染まり 蓮の花も 恋人よ きみを 待ち望んでいるのだ スミレは 軽…

*涼しき夜 ハイネの詩 から

死よ そが 涼しき夜の 帷(とばり)ならば 生は 蒸し暑き 昼間だ はや 黄昏て 眠きかな われ 昼間 勤(いそ)しみて 疲れしゆゑに 噫 わが 奥津城(おくつき)に 一本の木の 伸び出できて 一羽の 夜啼き鶯の 囀(さえず)らん 唄ふは 愛の歌にして 夢の中にて 聞くも…

*懐かしき夢・・ ハイネの詩 から

懐かしき 夢をみた 五月の 夜のことだ ぼくたちは 菩提樹の 木蔭(こかげ)に 坐り 永久(とわ)の愛を 誓っていた それは 新たな 誓いだった くすくす笑い 愛撫し 接吻を 交わしあった ぼくは その誓いを こころに 留めた けれども きみは ぼくを 苦しめていた…

*「砂時計 」 ハイネ  ドイツ詩選 拙訳より

わたしの眼に 砂時計の砂が わずかづつ 落ちていくのが みえる 妻よ 天使のように 愛しいひとよ 死が おまえから わたしを 引き裂いていく 妻よ 死が お前の腕から わたしを 引き裂いていく 抵抗しても 徒労に帰すだろう 死は この肉体から わが魂まで 引き…