読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

文学・学問・詩

*ボヘミアニズムと市民気質

青春小説「トニオ・クレーゲル」以後、「魔の山」Der Zauberberg ほか数々の大作を書いたT.マンには、小説家としてのボヘミアニズムと市民的勤勉な精神が共存していた。 これに共感をおぼえた「雲のゆき来」ほか多くの作品で知られる小説家、並びに評伝作家…

*奇(くす)しき 薔薇

バラの香りの 愛(いと)ほしく 息吹の 真っ赤に 燃ゑしとき 噫 愛しき バラの香よ ! そは 聖母マリアの 御慈悲により バラは 奇しき薔薇となり されど タンポポの 花咲き 終わるや そが冠毛は 風に舞ひ 四散して 遠く 近くに 着きしなり されど そが 繰り返し…

*棲家は小さくとも、安らぎは大きい パルヴァ・ドームス、マグナム・クイエス

*W.ベルゲングリューン短篇「古都奇譚」 より: さあ、みなさま、わたしの傍らにおかけください。ボトルはテーブルに用意できております。秋の陽はすでに沈み夕暮れて、外では鴉がカァー・カァーと鳴きさけび、木枯らしもピューピューと吹き荒(すさ)んでおり…

*デッサン: カフカと グレアム・グリーン

・西洋の現代文学に関して:-- 世界をラジカルに懐疑し、信じられない、という立場の代表が、フランスの実存主義の作家、例えば、サルトルとカミユならば、ドイツ文学圏の作家であるカフカは、世界観はこれに近いが、異なるのは、いかにしたら、それから打開…

*或る消えた哲学者・・ 人生の目的と幸福

19世紀、ドイツの哲学者ハルトマンは、今では文献にすら見られないが、当時は知られた哲学者であった。そのハルトマンについて、鴎外は「妄想」のなかで、こんなことを 紹介している。 曰く、「幸福を人生の目的だとすることの不可能なのを証明するために、…

*「人間喜劇」とバルザック

1833年、34歳のバルザックBalzac 1799-1850 は、或る日、唐突に途方もない野心的な計画を思いつく。-----社会全体を小説の中に描き上げるということである。そして、ほぼ十年後、それまでの小説を再構成して、「人間喜劇」というタイトルの下に 刊行する。 …

*出会いのエロス・ ホフマンスタール 散文集より Erotische Begegnungen

ホフマンスタールは「道と出逢い」で、こんなことを書いた。 「すべての孤独な出逢いには、 なにかしら非常に美味なものがともなう。*1 エロス本来の決定的な所作は、抱擁ではなく、出逢いである *2. 」 彼はまた、こんな一節を引用してノートする。 「わた…