HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

* アスラ   ハイネ

 

日ごと 美しき サルタンの 姫君は

夕暮れ 水が撥(は)ねている 噴泉の辺 (ほとり)で   

 佇(たたず)んでいた

 日ごと 夕暮れ時 噴泉の辺に 

佇む ひとりの 若き 奴隷がいた が

その顔色は 日毎に 蒼褪(あおざ)めていた

或る日 君主の后(きさき)が 近づき

 訊いた --そなたの名前は 何と ?...

 生まれた先は ?.     ..一族の者は ?.

すると 若き奴隷は 云った

わたしの名は マホメット    イエメンの 出でございます

一族は アスラで ございます

 ですが あなたが 愛でるときは 

    この世には おりますまい          

 H.Heine : Der Asra  

Aus: Dt.  Lyrik vom Barock bis zur Gegenwart   

     dtv.   ebd.   S. 194