文学史家、K.ロートマンの著から:
「オーストリアはウィーン生まれのヴィトゲンシュタイン1889-1951は、生涯にわたって言語による表現記述の可能性と限界を思考した著名な哲学者だが、<語りうるもの>の領域、zB.自然科学などは、はっきりと語り、<語り得ないもの>の存在と重みを示したことで知られている。
ヴィトゲンシュタインは云う。:「言葉は、事実をモデルとして描くことは可能だが、それを解明することは不可能である。」 とはつまり、「さまざまな事実によって決定されている世界では、論理的に空間のなかにある事実こそ世界である。」と、<事実>の重要性を強調して、恣意的な観念構築の近代哲学の、とはつまり、カント以来の観念論、並びに、ヘーゲルの観念体系を云うのだが、根本的欠陥を衝いたのであった。そして、彼は次のように云うのである。 即ち、 「わたしの言葉の限界は、わたしの世界の限界を意味しているのだ。」Die Grenzen meiner Sprache bedeuten die Grenzen meiner Welt..
それ故、「語り得ないことに関しては、ひとは沈黙していなければならない・」というのである。 Wovon man nicht sprechen kann, darüber muss man schweigen..
Aus: K. Rothmann, Dt. sprachige Schriftsteller seit 1945. Reclam