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HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

*プロメテウスの寓話・・ ホフマン短篇 より

<プロメテウスの寓話>というものがある。

創造主をもくろんで天の火を盗み、命あるものを生み出そうとしたあのプロメテウスの話だが、しかし、驕慢にも、神を気どったプロメテウスはどうなったであろうか。永遠の劫罰を受けたのである。つまり、神に成りあがらんとした野望を抱いた報いとして、禿鷹についばまれても、杳として死は訪れないという劫罰である。

「天上を望んだものは、こうして永劫の罰を受け、地上の苦しみに苦しむのです…」

「然し、それがあなたの絵とどんな関係があるのです・・」

「たとえば、至高のものを求めるとしますね、無論、あのティツィアーノのように豊満な裸婦像をモティーフにして独自の官能美をもとめた肉体の至高ではなくしてですね、神々しい自然の中の最高のもの、風景画でも歴史画でもいいのですが、人間の中のプロメテウスの火にあたるものでしてね、これは苦しい道ですよ。そこでは奈落が口を大きく開き、頭上では猛禽が待ち構え、窺っているのですから・」

     「G.町のイエズス教会」より