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HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

*「人間の哀感」と徒然草・第七段  拙訳・ドイツ バロック詩選 より

 

 「あだし野の露・・」で始まる徒然草・第七段にみえる 深い

                 人生観。

これと似て、ドイツの最も傑出したバロック詩人、グリューフィウスにもこんな詩がある。     (拙訳詩集 から)       

              人間の哀感 Menschliches Elende :

    嗚呼 人間とは いったい 何なのか

  怖ろしき かなしみの 棲家か 偽りの 

                   幸福の球体か この世の 鬼火か はたまた 

  憂苦に満ち 安心のできぬ 戦場なのか >

     すぐにも 溶けてしまう 雪片か それとも

     たちまち 燃え尽き果てる 蝋燭か  

  人生とは 無駄話や 戯れのように 

         逃避していくものなのか

    儚(はかな)き 肉体から 脱ぎ捨てられた 衣服や

   過去帳に すでに記帳されたものは すべて

      去り行き 日々に 疎(うと)しなのか 

  虚(むな)しき夢が いとも簡単に こころから 

             消え去り  川の流れが たえず 去りゆくように

  人の名も 称賛も 栄誉も はたまた 名声も

    やがては 消えゆく定め・・ 

 こうして 息を継ぐものは 息とともに 消えゆき

  足音も立てず われらに 近づきくるものは

   われらを 奥津城(おくつき)へと 引きつれて    ゆくのだ

噫 わたしは いったい 何を 吐露しようと    いうのだろう

  人間とは 強風に 吹き飛ばされ きえゆく

    儚く 淡き 煙りのごとき 存在とは!!..

        Gryphius   : Menschliches Elende,     

                                 Die Eitelkeit der  Eitelkeiten

    Aus: Dt. Barock Lyrik  ,     Reclam   ebd.  S.   109...

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