HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

* ケンタウルス族の賢者 ヒロン: 「ファウスト」 第二部 第二幕より

 

ヒロンは半人半馬の怪物であるケンタウルス族の賢者で、野蛮で粗暴な一族の中で例外的な存在である。

   7331 ~: 

ファウストヒロンの対話も脚韻を踏み書かれている。         Dialog  im  Sprech-Vers: 

ヒロン:  何じゃ、何ごとじゃ

ファウスト: 馬をお止めください

ヒロン: いや、とまらぬ

ファウスト: では 一緒にお連れください

ヒロン : それなら乗るがよい そうすれば 

  訊きたいことも聴ける 

 何処へ行く気じゃと  

この川岸に佇んでいたお前を向こう岸に渡してやってもよい

ファウスト;     何処へでも お供します

 終生 御恩は忘れません   あなたは偉大な人 そして

 気高い 教育者ですから 

あなたが 教育された英雄は数限りない

あなたの名声は 隈なく轟いています

アルゴー船に 乗り組んでいた高邁な 勇士たちも

詩に歌われているのです 優れた人もみな 

あなたが お育てになった人たち 

ヒロン :  今さらなにを申す 

メントルの姿で教育を施したパラスでさえ 

名誉は受けてはおらぬ  

結局 弟子たるものは 自分流儀で邁進していくしかないのじゃよ   育てられて傑出した人物になるわけではないのだ

     ~7344

Selbst Pallas kommt als Mentor nicht zu Ehren :

 Am Ende treiben sie's nach ihrer Weise fort

 Als wenn sie nicht erzogen waren....7342-7344..