HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

* 戦後ドイツ作家 作品年表 4 : 1945年以降

 

・1977:  「ひらめ」グラス   「金閣炎上」水上勉

・1978:  「アイヒェンドルフの没落と他のメルヒェン」

ハイセンビュッテル    「夕暮れまで」吉行淳之介

・1979:  「何処にも居場所はない」ヴォルフ 

「しみじみ日本 乃木大将」井上ひさし

・1980: *「バイユーン 或いは同盟団」ムシュク 

    「侍」遠藤周作 

・1981:  「吉里吉里人」井上ひさし

・1982: 「嘗て一日は 銃創と共に始まった」ヴォンドラチェック              「太陽は嘗て 緑の卵だった」アルトマン   

             「裏声で歌へ 君が代丸谷才一

・1983:  *「赤い糸」メッケル 「カサンドラ」ヴォルフ 

             「新しい人よ 目ざめよ」大江健三郎 

1984: 「最後の審判」《死霊》第七章 埴谷雄高 

            「方舟さくら丸」安部公房 「冬」中村真一郎

1985:  「路上の人」堀田善衛 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド村上春樹

 

      '85年版 K.ロートマン著

K.Rothmann; Dt. sprachige Schriftsteller seit 1945     

「バイユーン、或いは、同盟団」:ムシュク  

 この長編は、ムシュク第五作目で、こんな内容である。:即ち、或る長老の作家リュッターは七人のエキスパート代表団と共に、3週間の予定で中国に旅立つ。さて2週間後、代表団のリーダーのS.は激高して皆から嫌われ、毒殺されてしまうという事件が起きる。だが、この暴君的な権威者の死に悲しむ者は、代表団の中には誰もいない。ばかりか、寧ろ、各人に容疑がかけられると、個々の身勝手な人間性を暴露してしまうのである。 因みに、この作品は心理学者ボスハルトによっていくつものエピソードを回顧しつつ語られるという手法で書かれている。そして、その中のエピソードにかかわるテーマやモティーフは短編物語でもその核として使われている。例えば、「恋物語」や「遠い知人」など。  Liebes-Geschichten 72. *Entfernte Bekannte 76. . A. Muschg;  Aus;  K. Rothmann  ebd. S.286ff...  

   メッケル「雪獣」:  

  メッケルは作家としてばかりでなく、グラフィックデザイナーとしても有名である。彼は21歳の時7篇の詩と4つのグラフィックからなる作品集「隠れ頭巾」でデヴューした。その特徴はメルヒェン調でグロテスクなファンタズィーに富みトラークルやクローローなどの影響がみられる。一方、仮構とファンタズィーを、更に変容することに重きがおかれた。例えば、短編集「赤い糸」で明らかなように、筋よりかは、現実から呪文によって霊を呼び出すこと、その呼び出した霊を超現実的な手法で叙述すること、そして、その魔術的な変容を好んで描いたのである。メッケルは比喩的短編「雪獣」で次のように述べた。つまり、荒唐無稽な動物も、その名前が存在する限り実在するのだと。それゆえ、物語作家として彼は、《雪獣》は生命あるものとして存在することを疑わないのである。    「赤い糸」Ein roter Faden

C.Meckel ; aus ; K.Rothmann  Reclam  ebd . S.269ff.