HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

* 「祝福」: デーメル 「女と世界」より

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 ごらん 空が 青くなり

 燕が 早や 飛ぶ 魚のように

 濡れた 白樺のうえ それなのに

 きみは 泣きたいというの ?...

      .........      ......

    きのう きみは 失意のあまり 

  剣に 魂が 貫かれていたね

  きみと同じ名の あの聖女のように 

 でも きょう ぼくは 歓喜のあまり 

 両腕を 高らかに 拡げる

 剣に 魂を貫かれた きみを前に

 すべての聖徒に わが身を 比べながら 

 さあ ぼくのマリアよ 身を 寄せておいで

 そして ともに 耳を 傾けよう

 頭上では ほら 天の軍勢が 歓呼している・・

     ***  Dehmel ;  Benedeiung

                      デーメル 「祝福」

Vgl.:       Sei mir gebenedeit !...= 

   Sei mir gegrusst , die Gebenedeite 聖母マリア

   ***

 俄に 広間は会衆で一杯になった。・・いよいよデーメルが現れた。すると彼は檀の真ん中に進んで、無造作に一礼すると、すぐ朗読を始めた。・・彼は熱情に満ち、屈強であり、また宣教師風でもあり、更には半獣神風で異彩に満ちていた。。。

 しかし今や詩が可視的なものへの関心から拉っしさり、ニーチェの「夜の歌」を朗誦すると、デーメルの声はいよいよ深い内奥から発して天翔った。それは憧憬と恍惚のうちに、歌曲リートに近づいていったのである。。

恐らく、12-13世紀中世の英雄時代の吟遊詩人・トルバドゥール;troubadoursはこういう風に朗読したに違いないのであろう。。。

   *** カロッサ「美しき惑いの年」 より