HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

* 大都会 : リリエンクローン 

 

 

 都会の大海原; 目の前を

 慌ただしく すぎゆく人 また 人・・

 一瞥を投げ と もう 過ぎてゆく

 どこからか ピアノの響き 聞こえきて・・ 

 

   虚無の大海原; 目の前に

   滴るしずく 一滴 また 一滴

   あの柩は 誰のもの 一瞥を投げ

   と もう 過ぎてゆく どこからか

   ピアノの響き 聞こえきて・・

 

 都会の大海原; 葬儀の列 眼の前を

 行き交う人 また 人・・

 わが柩にあらず 安堵して 一瞥を投げ

 と もう 過ぎてゆく 

 どこからか ピアノの響き  聞こえきて

 彼に レクイエムを  !!.....・・ 

             *** Li' liencron: 1844-1909.

   リリエンクローンは普仏戦争に出征した経験があり、英雄的な即興詩に長けているドイツ現代詩の先駆け的詩人。

       ***

 刺激に追い立てられている大都会人の耳には、その朗読会に於けるデーメルの朗誦は耳慣れぬものであったかもしれない。然しながら、参会者の何人もこの卓越した人物の呪縛力から抜け出ることはできなかった。新たな伝達様式を得ようとする彼の熱烈で誠実な奮闘を感じないわけにはいかなかった。。そしてデーメルがリリエンクローンや、アルノー・ホルツの詩に次いで、モンベルトの詩句を読み始めるまでは、一切は完璧な静粛に満ちていたのだ。。我々三人の盟友は、この数週間以来このかた、「天地創造」や「灼熱する者」の韻律的な響きに没頭していたのである。

   カロッサ「美しき惑いの年」より

   Carossa; Das Jahr der schonen Tauschungen