HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

*「人間の哀感」と徒然草・第七段  :

 

          「あだし野の露」で始まる徒然草・第七段にみえる 深い人生観。

 これと似て、ドイツの最も傑出したバロック詩人グリューフィウスにもこんな詩がある。        

      人間の哀感 Menschliches Elende :

 嗚呼 人間:  それは 何?...

 かなしみの 棲家?...

偽善に満ちた幸福の塊?...

  この世の 鬼火?...

それとも 安心できぬ 戦場?...

はたまた  忽ち 溶ける 雪片?...  

瞬時に 燃え尽きる 蝋燭?...  

人生: それは 無駄の多い 戯れ?... 

逃避行?...ならば何処へ?...

 肉体は儚きものかは!?... 

脱ぎ捨てられた 衣服は存在しても 

虚(むな)しきは夢ばかり 

消え去りゆくもののおおく

 川の流れに似て 泡となり 

 栄誉も名声も 忽ち消えゆく・・ 

こうして息は絶ゑ 息とともに消ゑ

足音もなく近づきくるものは

深淵で静謐なる奥津城(おくつき)  !.. 

噫 吐露したとて何になろう?...

せめてもの願ひは

天翔る存在にならんこと!!..

  ***

   Gryphius   : Menschliches Elende,     

  Die Eitelkeit der  Eitelkeiten

 Aus: Dt. Barock  Lyrik  ,   

 Reclam   ebd.  S. 109...

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