HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

*詩と散文のプロムナード: Promenade:

*ニーチェと学者詩人:Philologen Poeten

学問と芸術とに心砕いた哲学者 ニーチェ:Nietzsche 彼は「偶像の黄昏」で ブルクハルトを尊敬すべき友人と述べ 彼の「イタリア ルネッサンス」に 学問と芸術の美しい融和を みとめていた ルネッサンスの詩人は また学者でもあった: 彼らは古典古代の再発見を…

*::スタンダール より

'おお 春! 四月は 定かならぬ輝きに満ち!.. 恋愛も 陽の輝きに あふるる が やがて 雲は すべてを覆い隠しおり シェイクスピア -- 「赤と黒」第一部 第十九章 導入部より *

*「シュレミールの不思議な物語」から

ドイツ人にもなれきれず、故郷フランスも異国と感じていた詩人の話。彼はある時、新聞を手にし コッツェブーを隊長とする学術探検隊が近々、北極をめざし組織されたというニュースを目にする。すると、コッツェブーの斡旋で、かねてからの願望が思いもかけず…

* 鴎外: 「青年」より

「言われたことぐらい、小説で書いている ・・」 「批評家は 先生のものは真の告白だ。敬服に値いすると。アウグスティヌスやルソーRousseauのようだという。 「そうかね、有難い。批評など読まないが、アウグスティヌスは 若い時に乱行して悔悛してキリスト…

*古都奇譚:- 古都に眠る魂の物語: ベルゲングリューンより

W.ベルゲングリューン短篇「古都奇譚」 冒頭部 より: さあ、みなさま、わたしの傍らにおかけください。 ボトルはテーブルに用意できております。秋の陽はすでに沈み夕暮れて、外では鴉が鳴きさけび木枯らしも吹き荒(すさ)んでおります。 ところで、地下に眠…

* 老子と「道徳経」:ブレヒト より Ⅱ- 1 (*19-)

肩越しに 目を向けた老賢者の眼に映ったのは 衣は破れ 額には皺が走り みるからに 寂れた風袋の男 : 老賢者は その男に云った :求められたからには 応じよう 牛から降りると それから 七日間 口述筆記 その間 税関番は 三度の食事を用意し 質素ながら もてな…

*プロメテウスの寓話: ホフマン短篇 より

プロメテウスの寓話 というものがある。 創造主をもくろんで天の火を盗み、命あるものを生み出そうとした あのプロメテウスの話で、驕慢にも神を気どったプロメテウスは どうなったか。-- 永遠の劫罰を受けたのである。 つまり、神に成りあがらんとした野望…

*ルクルスと ルクレティウス : ブレヒトより Ⅱ-3 (*20 )

老いた前将軍ルクルス。: 彼は、嘗て、全盛期にアジアに出征した。すると、ポンペイウスはこの時とばかり、陰謀を巡らし彼を排斥した。 ルクルスが真のアジア征服者だと崇められていることを承知の上で。 ・ 紀元前63年初期。: ローマは政情が不安定で、ポン…

* ディオティーマよ!...何処?・: ヘルダーリン「ヒューペリオン」より

1770年生まれのヘルダーリンはシラーと交友あったドイツの純粋な魂の詩人。が、彼は73年の全生涯の後半生、30数年を精神の闇に暮らした詩人でもあった。 彼の評価は高い。唯一完成した散文作品に手紙形式で書かれた「ヒューペリオン」がある。: 「ディオティ…

*漱石の講演:鴎外「青年」より  

案内されて漱石が現れた。どんな人かと純一は見つめる。 漱石の背丈は中ぐらい、顔にはカイザー髭。 漱石は鎮まるのを暫く待って 口を開いた。 「イプセンの話をということでありました。が、考えたことはありません。 ですから、知識は諸君とおなじ」 声を…

* 鐘の音 :デーメルより

そして 日暮れに 鐘の音 : 見回せば あちこちの小屋から 煙が 立ち上り こずえは 温かく包まれて さあ 出ておいで 風が そよぎ 囁いているよ: 春だ 出ておいで 子らが 毬投げして遊んでいるよ !... 白樺や楓の若葉も 息づき 戯れている!... 草原の爽やかさを…

* 星が輝く夜は・・:T. マンより

おっしゃる通り、と男は云った。 憂鬱に関しては その通りです。いつだって星が輝く夜は、また格別でして。 この男は詩を書いているな、とクレーゲルは思った。 夜も更け 風が激しい。 クレーゲルはベッドに体を伸ばした。 眠れない。するとまた、甲板に行っ…

*プロメテウスの寓話: ホフマン短篇 より

<プロメテウスの寓話> というものがある。 創造主をもくろんで天の火を盗み、命あるものを生み出そうとした あのプロメテウスの話で、驕慢にも神を気どったプロメテウスは どうなったであろうか。 永遠の劫罰を受けたのである。 つまり、神に成りあがらんと…

*「安土往還記」:辻邦生より

京都で明智殿の謀反を知ったのは、翌々日、噂によれば、明智殿は 愛宕へ参籠していたが、自分への共感から 遁れたいと念じていたのだ。 そして ひたすら 甘美な眠りの中に いたかったのだ。 しかし 大殿は近侍わずか30騎 安土を出て、本能寺へむかっていた。…

*:ホフマンスタールより  

侯爵夫人: なぜ腹が立つのかしら、世の常なのに、 わたしにも 娘時代があった、でも 修道院から結婚生活に すぐ、 でも どうして、昔は可愛かった なのに いつの間にか もうお婆さん、・・ どうして 神さま どうして わたしは ずっと 変わらないのに たとえ …

*ホラティウスの言葉とゲーテ:  より

ホラティウス Horatius (B.C.65-B.C.8)は古代ローマの詩人だが、彼の言葉に、こんなのがある。: nil mirari.: .意味は、決して、心を動かすことなかれ。 これはドイツ語では、Sei gefuhllos,となろうか。 これはゲーテの詩の一節に見える 言葉だが、後にはこ…

* ヘルダーリン「ヒューペリオン」より

1770年生まれのドイツの詩人ヘルダーリン。: 彼はシラーとの交友もあり、73年の生涯を送ったが、その後半生の30数年は精神の闇に閉ざされた暮らしだった。が、彼の評価は高い。 唯一完成した散文作品には、手紙形式で書かれた「ヒューペリオン」がある。その…

*::スタンダール より

'おお 春! 四月は 定かならぬ輝きに満ち!.. 恋愛も 陽の輝きに あふるる が やがて 雲は すべてを覆い隠しおり シェイクスピア 「赤と黒」第一部 第十九章 導入部より *

*「悲の器」:高橋和巳より

「わたしは文学者ではない。事実性と論理性のほかに文章を不必要に飾ることに対して好意的ではない。事実の証拠と構成する人的動機にしか興味を覚えぬのだ。長年にわたり、そのように鍛えたのであり、その性向に対して不満があるはずもない。いま綴り始めた…

*「若い二人」: ホフマンスタール

「美しき惑ひの年」Das Jahr der schonen Tauschungen はカロッサCarossaの医師を目指して学ぶ学生時代を扱った短篇で、こんな詩も挿入されて親しみある詩である。・ 「詩だよ!.. 印刷されてない。 詩人の自筆だよ」フーゴーは手にもった封書を振ってみせ、…

*ニーチェと学者詩人:

学問と芸術とに心砕いた哲学者 ニーチェ: 彼は「偶像の黄昏」で ブルクハルトを尊敬すべき友人と述べ 彼の「イタリア ルネッサンス」に 学問と芸術の美しい融和を みとめていた ルネッサンスの詩人は また学者でもあった: 彼らは古典古代の再発見をしたのだ…

*夏は夜:「枕草子」より :

Im Sommer ,ich mag die Nacht gern, Nicht nur wenn der Mond scheint, sondern das Dunkel auch, Als die viele Gluhwurmchen einander die Wege in ihren Flugen kreuzen, Oder als es regnet auch ...... ・夏は夜。 月のころはさらなり。 闇もなほ。 蛍…