HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

*新・ 詩への懸け橋 : ドイツ訳詩選より

* 懐かしき夢: ハイネ より

懐かしき 夢を みた: 五月の 夜の こと ぼくたちは 菩提樹の 木蔭(こかげ)で 永久(とわ)の 愛を 誓って いた それは 新たな 誓い くすくす 笑ひ 愛撫し 接吻を 交わし あった ぼくは 誓いを こころ に留めた けれども ぼくを 苦しめて いた とは おお 恋人よ…

*意識的な散文 :《西東詩集》より ⑥

ゲーテの晩年になった「西東詩集」は、詩的様式が散文に著しく近づいていった。そこには体験内実と表示される意識との間に、<距離>があったからである。故に、そこでは半ば抒情的に教訓が語られるという表現形式が多々見られるのである。言い換えるならば、…

*「ヘジラ」:「西東詩集」 より ③

「西東詩集」はゲーテ晩年になった作だが、東洋はまさに族長的な世界の地であった。そして、それは瞑想的な老年ゲーテの気分に適合した。そのような現実性から隔たった避難所としての東洋にゲーテは親縁性を見たのであった。 巻頭の詩、ヘジラHegire(移住)は…

*異国の詩人、ハーフィス : 「西東詩集」 より ②

さて、「西東詩集」の理解には次の三つの視点からみてみるといい。 その①はゲーテが遠い場所、東洋に目を向けたのは何故か、そして異国の詩人ハーフィス(1320-1389)に模範を執ったのは何故かということ。 その➁はいくつかの書からなるこの詩集の内実とその区…

*「西東詩集」 ゲーテ 覚え書き

「西東詩集」West-Ostlicher Divanはゲーテ晩年(65-66歳)の作である。1749年生誕のゲーテは1832年に物故するまで、83年という星霜を生き抜き、かつ、その大半を休むことなく精力的に活動しつづけた文豪・詩人であり、その間にはワイマールという小公国で宰相…