HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

*「トリスタンとイゾルデ」: プラーテン 

 

       ペルシアのガゼル詩の形式美を駆使し、ドイツ詩に新たな地平を切り開いたプラーテンのロマンティックな詩から。

  --因みに、プラーテンは晩年のゲーテと多少の親交のあった形式美に優れた詩人。** 

 

 美の魅惑に憑りつかれし者は 

遁れる 術(すべ)もなく 

やがて 死中に慄(おのの)くとも 

  哀しむこもなし

美しき きわみの魅力に

 とりつかれしものは・・

 

愛のくるしみ厭わずに 

衝動をみたさんと 

のぞみ望みて突きすすむ

美の矢で的(まと)をし止めんと 

とどまること知るあたわず!!..

 

されど 望みし願ひの叶うことなく 

生の真の虚(むな)しければ

やがて 苦しむ者となり・・

願ひし望みの叶わぬとも

望みし願ひの虚しくとも.

泉のごとく涸(か)れたくと

花の香に死の匂ひ嗅ぐ

 

うつくしき きわみの魅惑に 

憑(と)りつかれし者は...

もはや 遁れる術もなく

死中の生に慄くとも   

泉のごとく涸れたくと 

* August Graf von Platen ;

  Tristan und Isolde

Aus; Dt. Lyrik vom Barock  bis  zur  Gegenwart  

   dtv. S. 162.