* 8909- 9126 :
・ この箇所はフォルキアスの台詞、「薄曇りの朝、輝きまばゆく真昼の太陽よ!.」以下、第三幕その1の最後までの場面であるが、それまでのヤンブスのトリメーター、短長・抑揚格の3音格詩がトロケーウスの長短・揚抑格のテトゥラメーター、即ち、4 歩格・4詩格からなる詩行にとって代わっている。
因みに、テトラtetra-とは、vier、4を意味し、これも古代ギリシアの悲劇に倣ったものである。
フォルキアス : 見てのとおり アヤックスの盾には 絡(から)みつく蛇が描かれ
テーベを攻めた7人の勇士たちも その盾に意味深い図柄をつけておった。夜空に輝く月や星も 女神も 英雄もあった。
・9035 ~:
梯子(はしご)や剣や松明(たいまつ)や 威嚇する攻め道具も 様様な図柄になった。また ゲルマンの勇士たちも 先祖代々 そうした紋章をつけ、獅子や鷲 鳥獣の爪や嘴 水牛の角も鳥の羽も 孔雀の尾も薔薇もあった。・・金銀 青赤の縞模様の図柄も 大広間に 列をなし掛かっている。
*Ajax fuhrte ja geschlungne Schlang' im Schilde, Wie ihr selbst gesehn.
Die Sieben dort vor Theben trugen Bildnerey'n / Ein jeder auf seinem Schilde ,reich bedeutungsvoll. /Da sah man Mond und Stern' / Am nachtigen Himmelsraum,
Auch Gottin, Held und Leiter ,Schwerter, / Fackeln auch......
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*アヤックス Ajax: アキレスに次ぐ英雄。 カサンドラを誘拐した。
・7人の勇士: ティドイス、カバノイス他で、テーベ Theben古代 ギリシア・ベオティーエンの首都を攻めた
**この韻律学・Metrikに関しては、ハンザー版ゲーテ全集、18-1. Letzte Jahre 1827-1832.のなかのKommentar,Faust Ⅱ・3 Akt・S.922-S.1023.を参照。
Aus ; GOETHE SAMTLICHE WERKE 18-1 Letzte Jahre 1827-1832 HANSER VERLAG
Munchner Ausgabe S.922-1023.