HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

*ブリキの太鼓 : .グラスより

・ぼくは太鼓にしがみつき 誕生日以降、1センチも生長しなかった。3歳児のままだ。が、賢さは3倍になった。 背は低いが 大人を凌駕していた。 そのころ 政治家にはならない、と決めていた。現状でいいと。小さな人と大きな人、小さな海峡と大きな海峡、ダヴ…

* おしなべて 太陽が純金と・:「ファウスト」第二部より

・4728~5064 : この箇所は対話形式の韻文で書かれ、4-5の揚音・強音が自由に、あるいは、相互に繰り返されていく。 4955~ : 皇帝の 玉座の間: ・天文博士:Astrolog: メフィストフェレスも小声で同じ言葉を繰り返している。: おしなべて 太陽が 純金と いた…

*クララの説教 : ドイツバロック詩より

クララは1644年生まれ。わが国でいえば江戸時代の前期、近世文学期にあたり、芭蕉が生まれた年と重なる。また、「好色一代男」の戯作者・西鶴はそれより2年前に生まれているが、それはともかく、クララはバイエルンやウイーンで説教をおこない、当時はペスト…

*「プラハへの旅路のモーツァルト」:  

1834年30歳の時、牧師になった詩人メーリケ。 彼は母を呼び寄せ9年間を暮らす。が、1841年に母が亡くなると病気がちに、40代で年金生活者となった。 その後、46歳の時、シュトゥットガルトの女子高教師なると、12歳年下の妹の友人と結婚、二人の娘を授かった…

*プロメテウスの寓話: ホフマン短篇 より

プロメテウスの寓話 というものがある。 創造主をもくろんで天の火を盗み、命あるものを生み出そうとした あのプロメテウスの話で、驕慢にも神を気どったプロメテウスは どうなったか。-- 永遠の劫罰を受けたのである。 つまり、神に成りあがらんとした野望…

* ディオゲネスに関する逸話 : クライスト奇譚集 より

古代ギリシアの哲学者ディオゲネスは、ある時、 「死後に埋葬されたいところは、どんなところでしょう・・」と訊かれると、 「野原の真ん中でよかろう」 「えっ!..なんですって?..」 「鳥や野獣の餌食になってしまうではありませんか・・」 「ならば、傍らに…

*その日を掴め: ソール・ベローより

「・・友人が綿花について情報を流してくれたよ。勿論、そいつをごっそり買ったさ。電話での買い付けでね。すると 綿花の積み荷が、まだ海にあるうちに三倍に高騰したな。世界の綿花市場がてんやわんやだ。すると この船荷の主は誰かとなった。無論、わたし…