HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

*ヨーンゾンの「推測」:

1934年、現ポーランド領に生まれたヨーンゾンのデヴュー作「ヤーコプについての推測」はこんな内容である。; 1956年11月の或る日、霧の中で28歳の鉄道保安員ヤーコプはドレスデン駅のプラットフォームで機関車に轢かれた。すると、推測はこんなふうであった…

*ジョン・バース「酔いどれ草の仲買人」より

詩の末尾に桂冠詩人エベニーザーと書き添えた二行連句の詩篇は、航跡に船を追う海豚の群れを眺めては、ミルトンの著作を参考にしながら眼にするメリーランドのおもかげを描いたものである。: トロイアを撃ち破り、帰路のユリシーズ: 纏(まと)いし衣は破れ 西…

*比喩としての銀杏の葉:「西東詩集」より

83年という長い星霜を精力的に活動しつづけたゲーテ。 そのゲーテの晩年(65歳)の詩に、銀杏をうたった一篇がある。 約250篇からなる「西東詩集」West-ostlicher Divan のなかの一篇で、こんな詩である。 東方の国から はるばる 移植された銀杏 その銀杏の葉…

*:ホフマンスタールより  

侯爵夫人: なぜ腹が立つのかしら、世の常なのに、 わたしにも 娘時代があった、でも 修道院から結婚生活に すぐ、 でも どうして、昔は可愛かった なのに いつの間にか もうお婆さん、・・ どうして 神さま どうして わたしは ずっと 変わらないのに たとえ …