HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

2015-01-01から1年間の記事一覧

*「アンティゴネー」  ソフォクレス 

ソフォクレスによって書かれ、前441年に上演されたギリシア劇「アンティゴネー」は、攻めよせた敵方の骸(むくろ)を葬(ほうむ)ることを禁ずる掟(おきて)に、敢然として逆らい、死に処せられるオイディプスの娘、アンティゴネーの悲劇だが、そこに出てくるアン…

*ヘレナとファウストと悪魔メフィストの闖入・ ゲーテ「ファウスト」第二部より

*第二部・第三幕 ⑵ から 城の中庭でのファウストと絶世の美女ヘレナとの愛の告白の場面(9377~84) ここでは毬を投げ、毬を受けるように、言葉と意味を交わしながら、心が結ばれてゆく場面 ヘレナ: ねえ、どうすれば あのように美しく お話しできるのから。 …

*「古代ワルプルギスの夜」: 魔女 エリヒトーの独白:

*場面は: ファルザスの古戦場で、辺りは 暗黒である。 魔女・エリヒトーの独白 : ハーイ、あたしはエリヒトー、夜の魔女よ 毎年のことだけど、今宵も 魔女たちの祭りに 参上したわ やくざな詩人たちが、大げさに悪しく言うほど 不気味な女では ないのよ 褒め…

*わたしは世界が明けるのを見た;「仔羊の回帰線」序 より

黄金に輝く微笑みのなか 世界が明けるのを見た その世界は 深い秩序ある映像として鮮明になり 戯れているように形作られてゆき 平生なら謎に満ち 眼には見えないのに 植物においても 動物においても 人間においても あまねく清らかなものには 謙虚に 誠実に…

*「語り得ないことに関して、人は 沈黙していなければ ならない」:

文学史家、K.ロートマンの著から: 「オーストリアはウィーン生まれのヴィトゲンシュタイン1889-1951は、生涯にわたって言語による表現記述の可能性と限界を思考した著名な哲学者だが、<語りうるもの>の領域、zB.自然科学などは、はっきりと語り、<語り得ない…