HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

*アヤックスの盾には絡みつく蛇が:

* 8909- 9126 : ・ この箇所はフォルキアスの台詞、「薄曇りの朝、輝きまばゆく真昼の太陽よ!.」以下、第三幕その1の最後までの場面であるが、それまでのヤンブスのトリメーター、短長・抑揚格の3音格詩がトロケーウスの長短・揚抑格のテトゥラメーター、即…

*トロヤの娘の合唱隊とフォルキアスとの悪口合戦:

* 8810~ 8825 : この箇所は、詩句問答Stichomytie 、隔行・対話形式で書かれ、トロヤの娘たちによる合唱の女たちと、フォルキアスの間で交わされる華々しい口争いで、売り言葉に買い言葉。互いに侮蔑と誹謗の言葉を投げ合う悪口合戦。 * 8810 ~: ・合唱を…

* 手でれれなければ・・:ゲーテ「ファウスト」第二部 4917~より

メフィストフェレス: Mephistopheles : なるほど さすが学者ですな 手で触れなければ 何マイルも 遠くのものと 変わりない 握らなければ 無きも同然 数えてみなければ 眉唾(まゆつば)ものというのですな・・ 秤にかけてみなければ 重さもなく お金も みずか…

*マルロー:「王道」より

「いや違う」とぺルケンは云った。「あっちの女だ」 《サディストかな、この人》とクロードは思った。噂によると、ペルケンはシャム政府の依頼で未帰属部族のもとに派遣されたとか、ビルマ東部のS.高原地方やラオス辺境地方の統合にのりだしたとか、バンコク…

*エルフェ(妖精)の歌; メーリケ

夜ふけに 村の夜番が叫んだ--: 11時(エルフェ)だ!.. すると 森で寝ていた小妖精は 早合点 すぐに 共鳴した :-- あたしがエルフェよ!.... 誰かが じぶんの名を 呼んだと思ったのだ はて 鶯か それとも ジルベリットか 妖精が 眠い目を こすりつつ 夜道を とぼ…

*「シュレミールの不思議な物語」から

ドイツ人にもなれきれず、故郷フランスも異国と感じていた詩人の話。彼はある時、新聞を手にし コッツェブーを隊長とする学術探検隊が近々、北極をめざし組織されたというニュースを目にする。すると、コッツェブーの斡旋で、かねてからの願望が思いもかけず…

* 鴎外: 「青年」より

「言われたことぐらい、小説で書いている ・・」 「批評家は 先生のものは真の告白だ。敬服に値いすると。アウグスティヌスやルソーRousseauのようだという。 「そうかね、有難い。批評など読まないが、アウグスティヌスは 若い時に乱行して悔悛してキリスト…