HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

*エッシェンバッハ:ドイツ中世最大の文盲詩人:

* 中世ドイツの叙情詩人、エッシェンバッハ:Eschenbach: 彼の言葉は、文盲の目を通して見た世界 それは、豊かな想像の力の才能 彼の物語は、聖杯を求め 騎士道の精神を描く・・ *** ・ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハの叙事詩『パルチヴァル』は、中…

*ペルセポネと農業の女神デーメーテル:

*ペルセポネの為に泣く デーメーテルの泪: -- ・ペルセポネとデーメーテル: 穀物の女神、デーメーテルは 娘を失い、悲しみに暮れる豊かな大地も、彼女の涙で 冬へと変わり ペルセポネは、冥界の王に連れ去られ 母と離れ、 暗闇の中で 王妃となる運命-- けれ…

*ワルプルギスの夜:魔女たちの祭典: エリヒトー: ⑴ ~ ⑶*--

*ワルプルギスの夜:魔女たちの祭典: ブロッケン山 ワルプルギスの夜、魔女たちが 舞い降りる古の呪文、月明かりの下 森の奥深くに秘密が息づく星々が見守る中、魔女たちは踊る 炎の中で、運命を紡ぐ 遠い昔から伝わる願い魔女たちの声は 風に乗り、夜空を駆…

*忠実なアンティゴーネ:

Die getreune Antigone: 忠実なアンティゴーネ: 果敢に 神々の法に従い、 王の命令を破りし アンティゴーネ愛する兄のために 立ち上がり、禁じられた葬儀の儀式を 執り行う その行動は、深い愛から、そして正義への 強い信念から・・恐れを知らない アンティ…

*ヘクトアとアキレス: 英雄の勇敢な戦い:

アキレスとヘクトアの勇敢な戦い: ***>>> トロイの壁の影で、二人の英雄が 立ち向かう一人はトロイの守護者、一人は 不死の名を持つ戦士: ヘクトアは 家族の愛に生き、国のために剣を取るアキレスは、栄光のために戦い、永遠の名声を求める 彼らの戦いは、神…

*ホフマンスタールとバッソンピエール元帥の冒険:より

バッソンピエール元帥の冒険: フーゴ・フォン・ホーフマンスタールによる短編小説『バッソンピエール元帥の冒険』は、ゲーテが『ドイツ移民の談話』に挿話として収めたフランソワ・ド・バッソンピエールの回想録をホーフマンスタールが翻案し、1900年の秋に…

*A-.+ :アヤックスの盾に絡みつく蛇: ゲーテ「ファウスト」第二部 + 

* 8909- 9126 : ・ この箇所はフォルキアスの台詞、「薄曇りの朝、輝き まばゆき真昼の太陽よ!.」以下、第三幕その1の最後までの場面である。 フォルキアス : 見てのとおり アヤックスの盾には 絡(から)みつく蛇が描かれ テーベを攻めた7人の勇士たちも そ…

*A.-+.:ルクルスとルクレティウス:美食家と詩人;

* 美食家ルクルスと詩人ルクレティウス:---->> かたや 古代の味覚を知る ルクルス、かたや 哲学を詠む ルクレティウス、二人の魂が交わるは 美食と詩 ルクルスの宴は豪華で、食材は選りすぐり、彼の手にかかれば、平凡な食も芸術となる ルクレティウスの言葉…

*賢者ソロモンと愛:

賢者ソロモンと愛: 古の時を超え、賢者の名が残る:その名は ソロモン、 知恵と愛の象徴 心は、王国よりも 広く愛は、星々よりも 深い >>-- 言葉には 愛がこめられ 詩のように 語りかける愛は強く、死にさえも 打ち勝てる・・彼の審判は 公平、彼の言葉は 温…

*A-.+:原罪とエデンの園:

人類は ふかき こころで 待ち望む: / 石からさえ 血のにじむ 孤独の悲しみから / 肉体は 樹木や動物にも 朋友と ならんことを 望み /溢るる 愁ひの呪縛から 解き放たれたき と ))) おお 愁ひに満ちた 苦悩よ !.. / 清水や 棕櫚の樹や繁みに 向ひ 愛のエクス…

*A-+: 夜と泉: 1.~3.-

* *** ))) ---: 夜と泉: ⑴ ~ ⑶ 夜の帳が下りると 静寂が あたりを包んだすると 泉は静かに 月の光を浴びて 輝きだす星々が瞬き 夜空に絵を描いた泉の水は、まるで 銀色の絹のように 風が 泉のそばで そっと囁き水面に触れると 波紋が 広がり始めた夜の泉は…

*A-.+: ディオゲネスに関する逸話 :

古代ギリシアの哲学者ディオゲネスは、ある時、 「死後に埋葬されたいところは、どんなところでしょう・・」と訊かれると、 「野原の真ん中でよかろう」 「えっ!..なんですって?..」 「鳥や野獣の餌食になってしまうではありませんか・・」 「ならば、傍らに…

*御復活祭前の第五旬節の日曜日に: ランゲッサーの詩 より

Sonntag Quinqua-gesima : 人は 同朋(はらから) ともに生き 傷(いた)みも情熱も 分かちあひ さながら 灼熱の地獄のなか 泪して 熱く たゆまず こころを ひとつにと 願ふ されど 悲しきかな!.. 鷲のように 飛翔しても 憧憬は 世の園に とどまり・・ 神からは…

* 四人来て 三人帰ったな: 「ファウスト」第二部 第五幕 真夜中より

真夜中に 四人の灰色の女が来て、ファウストの棲む宮殿から、 第一の女《不足》Mangel 第二の女《罪》Schuld、そして 第四の女《苦しみ》Nothの三人は、受け入れてくれないと観念して去ったあと、 鍵穴から そっと入り、残ったのは第三の女《憂い》Sorgeであ…

* トルストイ「アンナ・カレーニナ」: より

幸福な家庭は似通っているが、そうでない家庭の様相はさまざまである。: 「アンナ・カレーニナ」のこの冒頭部。 よく知られた一節で、この長編の第一部の11には、ハイネの詩の一節も挿入されている。: 抑えがたき この世の欲情に 打ち勝てば この世は わが春…

*囚われの男: 2: 承前 

夫人のマーティルデさんは庭先で洗濯物を干し訊ねてきた。 その間、青い顔のアルバーンは、話に耳を凝らしていた。 本当に、いいことなど ありませんでしたわ、夫人は云った。すると 悪いのは、この俺のせいだ。Ich bin schuld daruber.... アルバーンは い…

*囚われの男: Die Sippe auf dem Berg und im Tal:

いとこのアルバーンは、今、どうしているのだろう。噂を聞かなくなってから久しい。それほど親しく付き合ってきたわけでもない。 彼の一族は大家系で、関心を寄せたことがあった。 それはアルバーンが特有の主張、「嘘じゃない。悪いのは、俺ひとりなのだ!」…

*ブナの森?..ダッハウ?..それとも、:

「それにしても、あそこの老紳士は何を話しているのだろう。誰かが処刑されたとか」 ベルリンを貫流しているシュプレートンネルは占領された折り、一部の狂信者により、2,3週間ほど前、水浸しにされてしまったのだが、いまだ地下鉄は寸断され、乗客は歩くほ…

*A-.+: ランゲッサーの異世界:

Sonntag Quinqua-gesima : 人は同朋(はらから) ともに生き 傷(いた)みも情熱も 分かちあひ さながら 灼熱の地獄のなか 泪して 熱く たゆまず こころを ひとつにと願ふ されど 悲しきかな!.. 鷲のように 飛翔しても 憧憬は世の園に とどまり・・ 神から離れ …

*:A-.+: ラーベ「フォーゲルザングの記録」 より : (* - 10 )

ラーベは結婚したのが31歳、四人の娘がいた。長女が誕生したのが32歳のとき、また、次女は37歳のとき、三女は41歳、そして四女は 45歳の時の子である。が、末娘ゲルトルートには悲しい思い出があり、というのも、16歳の若さで病死していたからである。この時…

* 懐かしき夢: ハイネ より

懐かしき夢をみた: 五月の夜のこと ぼくたちは 菩提樹の木蔭(こかげ)で 永久(とわ)の愛を誓って いた それは新たな誓い くすくす笑ひ 愛撫し接吻を交わし ぼくは誓いを こころに留めた けれども ぼくを苦しめていたとは おお 恋人よ!... きみの誓いは美しく…

*ニーチェと学者詩人:Philologen Poeten

学問と芸術とに心砕いた哲学者 ニーチェ:Nietzsche 彼は「偶像の黄昏」で ブルクハルトを尊敬すべき友人と述べ 彼の「イタリア ルネッサンス」に 学問と芸術の美しい融和を みとめていた ルネッサンスの詩人は また学者でもあった: 彼らは古典古代の再発見を…

*::スタンダール より

'おお 春! 四月は 定かならぬ輝きに満ち!.. 恋愛も 陽の輝きに あふるる が やがて 雲は すべてを覆い隠しおり シェイクスピア -- 「赤と黒」第一部 第十九章 導入部より *

* プルースト より ⑵

17世紀オランダの画家フェルメールについてオデットはスワンに訊ねた。 この画家は女性のために苦しんだことがあるのかしら、女性からインスピレーションを与えられたことがあって?... スワンが、実は、わかっていないというと、彼女はフェルメールに興味を…

* 「ファウスト」真夜中 より

Faust: Entferne dich : さっさと 立ち去ることだな 用はない: Die Sorge: Ich bin am rechten Ort: いいえ わたしは居させてもらうわ ファウスト: 始めは 怒りが込み上げてきたが、やがて、 気を静めて: ならば 呪文は 口にせぬことだ 憂い: わたしの声は …

*ダンテ「神曲」:天国篇 第11歌 より

おお 人間! その純(おぞ)ましさ: - ある者は法学を ある者は医術を追いもとめ - ある者は司祭にならんとす また ある者は詐術に手を伸ばし - はたまた 快楽に酔い 懶惰(らんだ)を貪( むさぼ)る輩もいる・・- わたしは だが それらの塵労からは解かれ ベアト…

* 激しい恋愛:「赤と黒」より

バッソンピエール時代のフランスの英雄的な感情に、恋愛をみてとっていた彼女。...: バッソンピエール(1579-1646)は、元帥にして外交官、ホフマンスタールの短編「バッソンピエール奇譚」でも知られているが、突然、マチルドは上気したのだ。 あたし恋をして…

*プルーストより

ピアノの鍵盤では愛情・情熱・勇気・平静といったキーが他のキーと異なって、作曲家の手にかかると目覚めさせてくれる。 そのように、作曲家ヴァンの楽節には、充実した内実が感ぜられた。 スワンは、いつしか、「クレーヴの奥方」が憶い出していた。 プルー…

*アヤックスの盾には絡みつく蛇が:

* 8909- 9126 : ・ この箇所はフォルキアスの台詞、「薄曇りの朝、輝きまばゆく真昼の太陽よ!.」以下、第三幕その1の最後までの場面であるが、それまでのヤンブスのトリメーター、短長・抑揚格の3音格詩がトロケーウスの長短・揚抑格のテトゥラメーター、即…

*トロヤの娘の合唱隊とフォルキアスとの悪口合戦:

* 8810~ 8825 : この箇所は、詩句問答Stichomytie 、隔行・対話形式で書かれ、トロヤの娘たちによる合唱の女たちと、フォルキアスの間で交わされる華々しい口争いで、売り言葉に買い言葉。互いに侮蔑と誹謗の言葉を投げ合う悪口合戦。 * 8810 ~: ・合唱を…