HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

*異国の詩人、ハーフィス : 「西東詩集」 より ②

さて、「西東詩集」の理解には次の三つの視点からみてみるといい。 その①はゲーテが遠い場所、東洋に目を向けたのは何故か、そして異国の詩人ハーフィス(1320-1389)に模範を執ったのは何故かということ。 その➁はいくつかの書からなるこの詩集の内実とその区…

*「西東詩集」 ゲーテ 覚え書き

「西東詩集」West-Ostlicher Divanはゲーテ晩年(65-66歳)の作である。1749年生誕のゲーテは1832年に物故するまで、83年という星霜を生き抜き、かつ、その大半を休むことなく精力的に活動しつづけた文豪・詩人であり、その間にはワイマールという小公国で宰相…

*戦後ドイツ短篇 クルツゲシヒテの タイトル考

*各作品のタイトルには、時代の状況もまた、反映されているものである。 レクラム版より、50作品のタイトルから。 ◇ 語られた時代: ❶ 世界の裏表 戦時下における現実: 1.「陽動作戦」W.シュヌレ 陽動作戦とは味方の真の作戦を隠し、敵の判断を見誤らせるため…

*御復活前の七旬節の日曜日:  ランゲッサー

人類は ふかきこころで待ち望む 石からさえ血のにじむ孤独のふちの悲しみから 肉体は樹木や動物にも 朋友とならんことを望み 溢るる愁ひの呪縛から解き放たきと おお 愁ひに満ちた苦悩よ !.. 清水や棕櫚の樹や繁みに向ひ 愛のエクスタシーのなかで腕を拡げ …