HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

*戦後ドイツ短篇 クルツゲシヒテの タイトル考

 

*各作品のタイトルには、時代の状況もまた、反映されているものである。

レクラム版より、50作品のタイトルから。

◇ 語られた時代:

❶  世界の裏表   戦時下における現実:

  1.「陽動作戦」W.シュヌレ 

陽動作戦とは味方の真の作戦を隠し、敵の判断を見誤らせるために、わざとある行動に出て敵の注意をその方に向けさせるもの) 

2.「隘路」H.ベンダー(*あいろとは、狭くて険しい道を云う)

3.「ダンサー・マリーゲ」 J.ボブロフスキー 

❷ 破壊と精神の崩壊    戦時下の影響

4.「夜ごと,鼠はやっぱり、寝ていた」W.ボルヒェルト 

5.「旅人よ、スパに赴かば・・」H.ベル

 ❸  破滅への道     ナチス下のドイツ

  6. 「風下の島々」A.アンデルシュ

  7.「鉄の十字勲章」ハイナー・ミュラー 

  8.「イエーリコ」(パレスチナの都市)

  9.「或る愛の誘拐」アレクサンダー・クルーゲ

 ❹ 自由への血痕    協力と抵抗 

  10.「アルカディア」S.ヘルムリン(アルカディアとはギリシアの地名に由来し、桃源郷を意味する)           11.「窓辺のオレンジ」

❺ 考察と残存者体験   戦時下における捕虜生活

12. 「フライシャー船長への記念文集」アンデルシュ

13.「オオカミが戻ってきた」ベンダー(拙訳参照) 

➏   廃墟からの復興   戦後の諸問題

14.「荒寥とした舗道」H.ピオンテーク 

15. 「逃走中」シュヌレ 

16.「一縷の望みも消えて」E.ランゲッサー(或る精神異常の婦人の告白) 拙訳参照。

17. 「新 幸運なるオルレアンの処女」アイゼンライッヒ 

18. 「鵞歩行進」ヴァイラウホ 19. 「或る蒐集家の帰還」M.ヴァルザー

20. 「無頓着な男」S. レンツ      21. 「シュレーズィエン地方の伯爵夫人」ガイザー 

   ➐   50年代 ----

25.「世界の終末」ヒルデスハイマー

   ❽.   60年代  祝祭の準備と 崩壊の兆し     

  26.「ダビデはザウルの前にて戯れる」R.W.シュネル 

  27.「ゴーゴリの傍らにいるが如き」レンツ

 28.「テレビ戦争」フリース   

 29.「総合大学・ユニヴァースィテイ」 ヴァイラウホ   

   ❾.   70年代    不安な時代感情:  

 30.「復讐の時代感情」クルーゲ 

 31.「ハイデルベルクへお前は行きすぎる」ベル 

 32.「再会・ヴィーダーズィーン」シュナイダー 

   ❿.   もう一つのドイツ  DDR. 東独 

  33.「司令官夫人」ヘルムリーン 

  34.「天秤座」クーネルト 35.「低からず、遠からず」プレンツドルフ 

  36.「目の前の蠅」ブラッシュ 37.「試練の近い将来」シェートリッヒ  

  38.「バラトンの波浪」S.レンツ 

   *80年代  -----

  39. 「香水」ジュースキント。 

 * 他に、クリスタ・ヴォルフ、カーリン・キーヴス、ウーズラ・クレッヒェルなどの   女流作家、他多数。