1859年生まれのノルウェーの作家 K. ハムスン。:
彼は若き頃は貧困と苦労をし、アメリカにも渡りいろいろな職業にも就く。が、30歳にして小説がベストセラーになると一躍、脚光を浴びるや、次々と長編を出し、1917年には「土の恵み」で田舎生活を賛美した小説でノーベル文学賞に輝いた。
一方では、ノルウェーが侵攻されたにも拘らず、ナチスへの忠誠を誓い不評を買い裁判沙汰にもなった。
43年にはヒトラーに謁見もしたが、一言が災いしたという苦い経験もある。
かくして92年の栄光と挫折の生涯を生き抜いた一人の、今ではあまり知られていない作家がいたが、わが国では、彼の作品は多く翻訳されていたのだから、時代的にはよく知られ読まれたということであろう。
Knut Hamsun: 1859- 1952.