HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

*サッカレー・Thackeray:「虚栄の市」:

サッカレー「虚栄の市」:

サッカレーの「虚栄の市」Vanity Fairは、19世紀イギリスを舞台にした風刺小説で、社会の虚飾と人間の多面性を鋭く描いた作品>、これは1847年から1848年にかけて分冊で発表され、当時の上流社会の風俗や慣習を風刺、人々の俗物根性を暴露した。。。

 「虚栄の市」は、主人公のいない小説としても知られ、代わりに多くの登場人物が織り成す複雑な人間関係と社会的な動きが物語の中心>、貧しい出自から美貌と才気を武器に上流社会へのし上がりを目指すレベッカ・シャープ>、裕福な家庭に生まれながらも純情でおっとりしたアミーリア・セドリーの対照的な二人の女性を中心に展開する。。。そして彼女たちの人生の航路は、ナポレオン戦争という時代の大きなうねりの中で描かれた。

サッカレーは、自身が挿絵画家を目指していた経験を活かし、この小説に自らの挿絵を描き入れ、物語にさらなる深みを加え、また、作者自身が作中に登場するという手法も取り入れ、これらの革新的な試みは、文学作品としての「虚栄の市」の価値を高めた。。>>

さて、レベッカは貧しい画家とオペラ歌手の娘で、持ち前の美貌と才気を活かして上流社会への進出を目指す。彼女は女学校を出た後、男爵家の家庭教師として働き、その家の次男と駆け落ち結婚>。レベッカは嘘吐きで貪欲な女性として描かれているが、処世術に長け、その本性を見抜く者はほとんどいない。。。

一方、アミーリアは、レベッカの学友で、株屋の娘として裕福な家庭に生まれ心優しい性格で非常に繊細な心の持ち主>。美人ではないが、性格の良さから男性にもて、夫となるジョージ・オズボーンを深く愛しているが、ジョージは妻を顧みず、レベッカと浮気。。。

その他の重要なキャラクターには、アミーリアの兄ジョーゼフ・セドリがおり、彼は東インド会社に勤める金持ちで、デブでうぬぼれ屋>。

また、ジョージ・オズボーンはアミーリアの幼馴染で許婚であり、富裕な商人の子で、彼は陸軍中尉になるが、後に戦死。そして、ジョージの親友であるウィリアム・ドビンは、誠実で実直な陸軍大尉で、密かにアミーリアに恋をしている。。。>>>

 

「虚栄の市」は、これらのキャラクターたちの人生の航路がナポレオン戦争という時代の大きなうねりの中で交錯する>、これらのキャラクターを通じて、当時の社会の虚飾と人間の多面性を鋭く描かれた。

 ・この小説は、19世紀初頭のロンドンを舞台に、上流を目指す富裕層社会に生きる人々を諧謔と諷刺に富んだ文章で描き、痛烈に批判したのである。。。>>>

クローリーレベッカと結婚する男爵家の息子で、軍人。が、カード賭博で生計を立てておりレベッカの野心的な計画に巻き込まれ、彼女のために家族との関係を犠牲にする。>>