ギリシアはイタケの王: 策謀家オデュッセウスについて、こんな考察もある。:--- 彼は、世の男を魅惑した美声のズィレーネンの島が見えてくると船のマストに、みずからを縛りつけさせ、また、櫂(かい)を漕(こ)ぐ者らには耳に蝋(ろう)で栓をさせた。 美声に心…

・19世紀末の劇作家シュニッツラーにはオカルト的小説「レーデゴンダの日記」がある。最後には不倫の罪を着せられた若き男と旦那とのピストルによる決闘で決着がつくのだが、・・>>> この物語は若い男ヴェーヴァルトと竜騎兵大尉の妻レーデゴンダの禁断の恋…

*短編集『縛られた男』Der gefesserte Mann : 戦後ドイツ社会や個人の自由と束縛をテーマにしたこの短編は、こんな内容である。---これは或る男が目覚めると、縛られていることに気づく。 彼はすると、その状態から抜け出そうとするが、次第に何故縛られてい…

*ツェラン「罌粟と記憶」:--- パウル・ツェランの詩集「罌粟と記憶」は、彼の代表作の一つで、ナチスによるユダヤ人虐殺をモチーフにした作品が収められ、1952年に出版、ツェランの詩人としての地位を確立する。 この詩集には、最も有名な詩の一つである「死…

・シュネル作「ダビデはザウルの前でハープを奏でる」; 勇敢さと謙虚さを持つ古代イスラエルの王ダビデは、羊飼いから王へと昇りつめ、多くの戦いに勝利し、イスラエルを統一。 また、詩篇の作者としても知られ、彼の音楽的才能はサウル王を慰めるためにも使…

*マックス・フォン・デア・グリューンの「夜を二倍持つ男たち」:- マックス・フォン・デア・グリューンは、ドイツの労働者階級の生活と闘争を描いた作品で知られ、労働者文学としての地位を確立、社会的な問題に光を当て、処女作である「夜を二倍持つ男たち…

ヘッセの「ペーター・カーメンツィント」:郷愁。。。 ・ヘルマン・ヘッセの「ペーター・カーメンツィント」は、青春の苦悩、放浪、そして郷愁をテーマにした作品でデビュー作であり、25歳の時に書き上げた。 主人公ペーター・カーメンツィントがスイス高地の…

*レッシング「エミリア・ガロッティ」:--- ・レッシングの「エミリア・ガロッティ」は、ドイツ啓蒙主義機の重要な作品で、市民悲劇のジャンルを確立した作品であり、1772年に初演されたこの劇は、横暴な領主の邪恋を退け、最終的には自らの手で命を絶つ娘エ…

バニヤンの「天路歴程」:--- 『天路歴程』は、ジョン・バニヤンによって1678年に発表された宗教的寓意物語で、クリスチャンという男性が「破滅の町」から「天の都」へと旅する過程でし、様々な困難や試練に直面、キリスト教徒が人生で経験する葛藤や苦難を描…

サッカレー「虚栄の市」: ・サッカレーの「虚栄の市」Vanity Fairは、19世紀イギリスを舞台にした風刺小説で、社会の虚飾と人間の多面性を鋭く描いた作品>、これは1847年から1848年にかけて分冊で発表され、当時の上流社会の風俗や慣習を風刺、人々の俗物根…

*モリエール「タルチェフ」: ・モリエールの「タルチュフ」は、17世紀フランスの劇作家による風刺喜劇の傑作で、宗教的偽善を批判し、当時の社会における信仰と道徳の矛盾を鋭く描き出した。 モリエールは、タルチュフを通じて、表面的な信心深さの背後に隠…

エリザベート・ランゲッサー（Elisabeth Langgässer）はドイツのカトリック閨秀詩人で、小説家としても知られ、彼女の作品には自然や宗教的なテーマが多く含まれる。 ******* ランゲッサーの詩は、自然、神話・秘蹟などのテーマに深い精神性と象徴性が特徴で…

劇文学で、ラシーヌの父と子のやり取りほど 感心させられるものはない と作家エドゥアールは云った。 いいかね。芸術は 要するに、普遍的なものなのだよ。・つまり、個別を書きながら 普遍を表現している。 ちょっと 喫煙 よろしいかな。 「どうぞ、遠慮なさ…

17世紀、当時ペストが流行ると、クララはあちこちで説教を行い、心理面から少しでも死の恐怖を和らげようとした。 ・17世紀のペストと詩人クララの説教: 17世紀、ヨーロッパはペストの恐怖に包まれており、ただの病気ではなく、神の怒りとして恐れられ、人々…

*ハインリヒ・ベルの「アダムよ、お前は何処にいた?」は第二次世界大戦中のドイツ軍兵士たちの姿を描いた長編小説で、1951年に出版され戦争の混沌とした現実と、人間の存在の脆弱性を鋭く描き出している。 ベルは1972年にノーベル文学賞を受賞し、作品はしば…

* ベルンハルトの長編「霜」:---- )))* トーマス・ベルンハルトのデビュー作「霜」は、オーストリアの山間部を舞台に、失踪した画家シュトラウホの物語で、研修医の視点を通して、画家の独特な思想と、彼が住む寒村の住人たちとの交流を綿密に描き出している…

*ギリシャ神話の神々:プレアデス族:---・ 星々の舞踏会: 星の輝く夜、プレアデスの姉妹が 集い踊る遠い昔から 神々の庭で、永遠の愛を紡ぐ アルキオネは 慈愛の星となりセレーノは、知恵の光を放ちタイゲタは 勇敢に メロペは 秘めて情熱を燃やす>> 神話の中…

エリザベート・ランゲッサー（Elisabeth Langgässer）はドイツのカトリック閨秀詩人で、小説家としても知られ、彼女の作品には自然や宗教的なテーマが多く含まれる。 ******* ランゲッサー（Elisabeth Langgässer）の詩は、自然、神話・秘蹟などのテーマを扱…

・19世紀末の劇作家シュニッツラーにはオカルト的小説「レーデゴンダの日記」がある。最後には不倫の罪を着せられた若き男と旦那とのピストルによる決闘で決着がつくのだが、・・>>> アルトゥル・シュニッツラーの短編「レーデゴンダの日記」は、オカルト的…

ツェルターについて:・ カール・フリードリヒ・ツェルター（Carl Friedrich Zelter, 1758-1832）は、ドイツの作曲家、指揮者、音楽教師で、特にヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテとの親交で知られている。 ツェルターはベルリンで生まれ、同地で生涯を…

* フィヒテ短篇集「トゥルクへの旅立ち」:---他 ・現代ドイツ作家フーベルト・フィヒテの短篇集「トュルクへの旅立ち」:Hubert Fichte: The Journey to the Turks:---> Hubert Fichte, a modern German author, is known for his intriguing and thought-pro…

*ディオティーマよ:・ ディオティーマよ、汝れは プラトンを通して 永遠に語られし 愛の哲学者美しさと真実の間の 橋渡しをする 知恵の女神 教えは深く、愛は単なる感情ではなく、魂の進化への道。愛を通じて、真実を見つけ、美を追求し、善に到達する。 デ…

サルマティアの時:・ ヨハネス・ボブロフスキーの詩集『サルマティアの時』は、1961年に発表され、東方の過去の原風景の形象化を試みたもので、ボブロフスキーが自らの戦争体験と、彼の育った土地である東プロイセンの歴史を織り交ぜながら、サルマティアと…

Die grossere Hoffnung: * アイヒンガーの長編「より大いなる希望」には詩が数多く散りばめられている。>> イルゼ・アイヒンガーの長編「より大いなる希望」は、戦時中の厳しい現実を背景に、詩的な言葉とイメージを通じて、ナチス時代のウィーンを舞台に、…

* 中世ドイツの叙情詩人、エッシェンバッハ:Eschenbach: 彼の言葉は、文盲の目を通して見た世界 それは、豊かな想像の力の才能 彼の物語は、聖杯を求め 騎士道の精神を描く・・ *** ・ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハの叙事詩『パルチヴァル』は、中…

*ペルセポネの為に泣く デーメーテルの泪: -- ・ペルセポネとデーメーテル: 穀物の女神、デーメーテルは 娘を失い、悲しみに暮れる豊かな大地も、彼女の涙で 冬へと変わり ペルセポネは、冥界の王に連れ去られ 母と離れ、 暗闇の中で 王妃となる運命-- けれ…

バッソンピエール元帥の冒険: フーゴ・フォン・ホーフマンスタールによる短編小説『バッソンピエール元帥の冒険』は、ゲーテが『ドイツ移民の談話』に挿話として収めたフランソワ・ド・バッソンピエールの回想録をホーフマンスタールが翻案し、1900年の秋に…

* 8909- 9126 : ・ この箇所はフォルキアスの台詞、「薄曇りの朝、輝き まばゆき真昼の太陽よ!.」以下、第三幕その１の最後までの場面である。 フォルキアス : 見てのとおり アヤックスの盾には 絡(から)みつく蛇が描かれ テーベを攻めた７人の勇士たちも そ…

古代ギリシアの哲学者ディオゲネスは、ある時、 「死後に埋葬されたいところは、どんなところでしょう・・」と訊かれると、 「野原の真ん中でよかろう」 「えっ!..なんですって?..」 「鳥や野獣の餌食になってしまうではありませんか・・」 「ならば、傍らに…

Sonntag Quinqua-gesima : 人は同朋(はらから) ともに生き 傷(いた)みも情熱も 分かちあひ さながら 灼熱の地獄のなか 泪して 熱く たゆまず こころを ひとつにと願ふ されど 悲しきかな!.. 鷲のように 飛翔しても 憧憬は世の園に とどまり・・ 神から離れ …