HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

*プロメテウスの寓話: ホフマン短篇 より

プロメテウスの寓話 というものがある。

創造主をもくろんで天の火を盗み、命あるものを生み出そうとした あのプロメテウスの話で、驕慢にも神を気どったプロメテウスは どうなったか。-- 永遠の劫罰を受けたのである。

 つまり、神に成りあがらんとした野望を抱いた報いに、禿鷹についばまれても 杳として死は訪れないという劫罰である。   ***

「天上を望んだものは 永劫の罰を受け、地上の苦しみに苦しむのです…」                       「然し、それが絵と どんな関係が・・」                                                                             「至高のものを求めるティツィアーノのように 豊満な裸婦像をモティーフに  独自の官能美をもとめた肉体の至高ではなく、神々しい 自然の中の最高のもの、風景画でも 歴史画でもいい、人間の中の プロメテウスの火にあたるもので、これは苦しい道です。--- 奈落が口を開き、頭上では 猛禽が 待ち構え窺っているのだから・・」          ホフマン「G.町のイエズス教会」より