HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

* 鴎外: 「青年」より

「言われたことぐらい、小説で書いている ・・」

「批評家は 先生のものは真の告白だ。敬服に値いすると。アウグスティヌスやルソーRousseauのようだという。

 「そうかね、有難い。批評など読まないが、アウグスティヌスは 若い時に乱行して悔悛してキリスト教信仰に入ったという。その態度を真から改め、信者となり 大教父になった ・・」

    「また、ルソーは外の女に子ができると 孤児院に入れてしまった。それを懺悔した。それに比べれば、ぼくの書いたのは だらしない。なのに、あれが偉い?  」              「ええ、こころから自省していますもの   **

Vgl/ アウグスティヌスの「懺悔録」や  ルソーの「告白」は よく知られている。