ホラティウス Horatius (B.C.65-B.C.8)は古代ローマの詩人だが、彼の言葉に、こんなのがある。:
nil mirari.: .意味は、決して、心を動かすことなかれ。
これはドイツ語では、Sei gefuhllos,となろうか。
これはゲーテの詩の一節に見える 言葉だが、後にはこんな風につづく。:
Ein leicht bewegtes Herz ist ein elend Gut,
Auf der wankende Erde....
これは悩み多き、煩悶に暮れがちな若き青年に贈ったゲーテの詩の一節で、こころ乱してばかりいてはいけない、と優しく諭しているのである。
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18歳のとき、頼る人なく、ただ一人初めて席につらなったそのサロン。・・しかしあの頃は内気で、不幸の数々のうちにも日々、いかに美しかったことか。
第二章のLeitwort 導入部より