ラーベが25 歳で発表した処女作「雀横丁年代記」。
Der Chronik der Sperlings-Gasse。
以来、20代に19篇、30代 に17篇、40代は16篇、50代では10篇発表。 その中で、60歳に書き上げた「シュトップフクーヘン」(饅頭男)は、ある意味で、その頂点に達しえた作品だ。
主人公の名はハインリッヒ・シャウマン。
旺盛な食欲とものぐさ(無精)のゆえ <饅頭男>と綽名(あだな)の奇人。その彼が人付き合いのよくない農夫K.が殺人犯として嫌疑をかけられると、誹謗と中傷に 弁護の手を差し出す。
饅頭男・シャウマンは これが機縁でK.の娘と結婚。そして真の犯人を解明していく。
そこで重要なのは 犯罪事件にあるというよりは 対峙する二人の若者、H.とエドアールトの世の中をみる目と生きざまにあった。
この小説は 饅頭男の傍らに置かれたエドアールトによって 物語の枠が語られる。
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Vgl. ドイツ文学史、東大出版会、S.193. 1977...参照。
・ 「シュトップフ・クーヘン」饅頭男。 Stopf-Kuchen.
・ Vgl. K. Rothmann : Reclam. a.a.O. S.196...
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Stopfkuchen : 1891年:- Wilhelm Raabe.