HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

* 鐘の音 :デーメルより

そして 日暮れに 鐘の音 : 見回せば 

 あちこちの小屋から 煙が 立ち上り 

  こずえは 温かく包まれて

さあ 出ておいで  風が そよぎ 囁いているよ:

春だ 出ておいで 子らが 毬投げして遊んでいるよ !... 

  白樺や楓の若葉も 息づき 戯れている!... 

草原の爽やかさを 満喫しよう

 

  デーメル「復活祭に」

Dehmel:  Zwischen Ostern und Pfingsten   

    *- )))  *

 シラーの「鐘の歌」は これからも凌駕されることはあるまい。そんな詩人は、到底でてこないだろう。だとすれば、何を目当てに粉骨砕身すべきか。

詩作の新たな泉は枯れ、 すべては模倣にすぎないと プロメトイスは云った。 なら、デーメルはどうかねと訊いてみる。彼は黙って頭を振るばかり。そしてやがて云った。そんな名は まだ聞いたこともないな。  

      カロッサ「美しき惑いの年」より