HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

* 現代ドイツ作家 作品一覧   ⑵

 

1925:コムリンガー 詩人   三島由紀夫~70.「仮面の告白」49.

    ヤントル 詩人                           「金閣寺」56.

           丸谷才一「たった一人の反乱」

1926  :     バッハマン 女流詩人 ~73.「猶予期間」G.53.      グリューン 「夜を二倍持つ男」R.62.    

              辻邦夫「安土往還記」68.  井上光晴 河野多恵子

                 レンツ  「ズーライケン風流譚」55.             

1927 :   グラース    「ブリキの太鼓」R.59.  

       小川国夫「試みの岸」72.      ヴァルザー M.「ハーフ タイム」R.60.  北杜夫「夜と霧の隅で」R.60.「楡家の人々」

1929  :     エンツェンスベルガー  「狼どもの弁護」G.57.

     加賀乙彦「岐路」   レッタウ R.「建物建造に於ける困難」Pr. 62. クリスタ・ヴォルフ 女流「クリスタT.の追憶」68

1930 :   リューム G. 詩人  開高健~86.「輝ける闇」68 

     大庭みな子「三匹の蟹」   野坂昭如            

1931  :      ベルンハルト「霜」R.63. 

    高橋和己~71.「悲の器」 三浦哲郎忍ぶ川

   有吉佐和子  ~84.      曽野綾子「遠来の客」       

1933 :   ヘアブルガー「或る均一な光景」短編  64.

              ヴォーマン . 女流 「更なる別れ」

    五木寛之「蒼ざめた馬を見よ」67. 黒井千次

               石原慎太郎太陽の季節」55. 真継伸彦

       後藤明生  高橋たか子

1933:  モルクナー 柏原兵三  ~72.「徳山道助の帰郷」67

1934:   ヨーンゾン ~84. 「ヤコプについての推測」R.59. キルシュ  R. 「飲んだくれの太陽」63.   筒井康隆

   ムシュク .「野兎の夏」R.65.

            プレンツドルフ「若きW.の新たなる煩悶」Pr.72

                 井上ひさし「しみじみ日本・乃木大将」79

1935:    ビクセル「本当はブルーム夫人は・・」Pr.64

                フィヒテ「トゥルクへの旅立ち」短編集63.

           ザラー・ キルシュ 女流詩人「田舎滞在」G.67

            メッケル .「隠れ頭巾」G.56   柴田翔「されど

   我らが日々」 倉橋由美子パルタイ」60

                  大江健三郎「洪水はわが魂に及び」73 

                         

 

 

*現代ドイツ作家・一覧 &代表作: 1945年以降

 

《生誕年》《作家と没年》《代表作》《日本の戦後作家》

・1899  ランゲッサー「消えない印」R.46. 石川淳 ~87

    ~50. 女流               宮本百合子~51

 ・1900  ゼーガース  女流  「死者はいつまでも若い」49.

・1901   カシュニッツ  ~74.

   ノサック  ~77.「死人とのインタヴュー」短編集

・1906 ケッペン   「ローマに死す」54.  坂口安吾~55.

・1907   アイヒ G. ~72.          火野葦平~60.「花と竜」

・1909                     大岡昇平~88. 「俘虜記」「野火」

           太宰治 ~48. 「斜陽」

・1910         埴谷雄高 「死霊」

・1911 リンザー L.      椎名麟三~73.「永遠なる序章」

・1912  ドーミン H. 「第二の楽園」R. 武田泰淳~76. 

・1914 アンデルシュ~80.「自由のさくらんぼ🍒」

・1915 クローロウ K.  野間宏~91.「暗い絵」46.

            梅崎春生~65.「桜島」 *小島信夫抱擁家族

・1916   ヒルデスハイマー「詐欺師の楽園」R.53.

・1917   ボブロウスキー~65.「レヴィーンの水車小屋」

     ベル H.~85.  「汽車は遅れなかった」49.

                              島尾敏雄~86.「死の棘」60.

・1918        堀田善衛「広場の孤独」51.   *福永武彦~79.  「死の島」66.  * 中村真一郎「死の影のもとに」

・1919     ベンダー 「愛のごとき事柄」R.54 

・1920    シュヌレ「解けない計算」R.58.    *安岡章太郎 

   ツェラン~70. 「罌粟と記憶」             G.52.                       *阿川弘之「雲の墓標」                     

 ・1921  アイヒンガー 女流「より大いなる希望」R.48.

        アルトマン「太陽は嘗て、緑の卵だった」Pr.82.

        ボルヒェルト~47.戸口の外で                                

        デュレンマット「ロムルス大帝」49.  

 ハイセンビュッテル「真実を書くに際しての困難」64.       *庄野潤三「プールサイド小景」

・1923  ドゥレヴィッツ、女流 「10月の光」R.69.

            遠藤周作「沈黙」

・1924   マイレッカー、女流「夜の旅路」Pr.84. 

     安倍公房「砂の女」  *吉行淳之介「驟雨」

              **Fortsetzung:  

 

                   

 

             

                      

* ケンタウルス族の賢者 フィロン: 「ファウスト」 第二部 第二幕 より

 

ヒロンは半人半馬の怪物であるケンタウルス族の賢者であり、野蛮で粗暴な一族の中で例外的な存在である。

 7331行 ~: 

     ファウストヒロンのここでの対話も脚韻を踏み書かれている         Dialog  im  Sprechvers: 

ヒロン:  何じゃ、何ごとじゃな

ファウスト: 馬をお止めください

ヒロン: いや、とまらぬ

ファウスト: では 一緒に お連れください

ヒロン : それなら 背に乗るがよい そうすれば 訊きたいことも 聴ける 何処へ 行く気じゃと この川岸に 佇んでいたお前を 向こう岸に 渡してやってもよい

ファウスト; 何処へでも  お供します 終生 御恩は忘れません あなたは 偉大な人 そして 気高き 教育者ですから  あなたが 教育された 英雄は 数限りないですし あなたの名声は  隈なく轟いています アルゴー船に 乗り組んでいた あの高邁な 勇士たちも 詩に歌われている 優れた人も みな あなたが お育てに なった 人たちなのですから 

ヒロン : 今さら なにを申す メントルの姿で 教育を施した パラスでさえ 名誉は受けてはおらぬ 結局 弟子たるものは

自分流儀で 邁進していくしかないのじゃよ 育てられて 傑出した人物に なるわけではないのだ

             以上 ; ~7344行 

  Selbst Pallas kommt als Mentor nicht zu Ehren :

       Am Ende treiben sie's nach ihrer Weise fort

       Als wenn sie nicht erzogen wären......  .7342-7344..

        

            

 

 

 

 

* 韻律学 Metrik ゲーテ「ファウスト」 第二部 第一幕 

 

・4728~5064行 :

 この箇所は対話形式の韻文で書かれ、4-5の揚音・強音が自由に、あるいは、相互に繰り返されていく。

 4955行 ~ : 皇帝の 玉座の間にて:

天文博士 :Astrolog 、(但し、メフィストフェレスも小声で同じ言葉を後から繰り返し、しゃべっている。)

 おしなべて 太陽が 純金と いたしますれば 

水星 メルクーアは そのお使い役にて 寵愛と 給金を 当てにして 働き    金星夫人  ヴェーヌスは 誰彼となく 周りのものを 惑わし   朝な 夕な 色目を 送っているので ございます    また 月  ルナは まだ 情けなど知らぬ 我儘な 小娘でして    軍神の 火星  マルスは その威力で 脅かしますが    木星  ジュピターは それは 美しいものでございます

ですが 土星  ザトゥルンは 馬鹿でかい とは申せ 遠くに 見えますゆゑ 小さいものでして 目方は 重くも 値打ちは 軽いのと 同様なので ございます

ですから 太陽神  ゾルに   月姫  ルナが 寄り添えば 金と銀とが 並びますゆゑ  世界は この上なく  明るく 陽気になり    こうなりますれば 手に入らぬものなど ありますまい

      

   4971行 ~:

  Kaiser :  皇帝

なにやら 云っている言葉が 二度づつ 聞こえてくるが

されど 納得は できかねる

 その場に 居合わせた者の 呟き :Gemurmel

それが どうだって いうの 戯言に 黴が ついたようね

まるで 暦売りの 口上か 錬金術師の 口真似そっくり

これまで 何度 聞かされたことか   そして そのたびに 何度 騙されてきたことか あれもまた まやかし者に 違いないのさ  

Die Sonne selbst, sie ist ein lautres Gold,

Merkur, der Bote, dient um Gunst und Sold,

Frau Venus hat's euch allen angethan.

So fruh als spat blickt sie euch lieblich an;

Die keusche Luna launet grillenhaft,

Mars, trifft er nicht , so draut euch seine Kraft.

Und Jupiter bleibt doch der schonste Schein,.   ~4961..

 

 

* ゲーテ 「ファウスト」 真夜中 承前

 

 Entferne dich :さっさと 立ち去ることだな 用はない (Faust)

 Ich bin am rechten Ort:  いいえ 居させてもらうわ 此処に                                                     Die Sorge

ファウスト: (始めは 怒りが込み上げてきたが、やがて、気を静めて) ならば 呪文は 金輪際 口にせぬことだ

憂い:    わたしの声は 耳からではないわ 直に こころに 響くのよ これまで 姿を 代えては   人を 怖らせてきたものよ     わたしには 不安が いつも 付き纏っているものだから 何処にいても 捜してくれる 者好きは いないけれど 見つかるのも 簡単なのよ まして 呪われたりもするけど 世辞も 云われたりするわ あなたには 憂いなど 無縁だったとでも 云いたいのかしら     ~11432行

 Stets gefunden ,nie gesucht

  So geschmeichelt  ,wie verflucht.

Hast du Die Sorge nie gekannt ?.......

 

 

 

 

* ゲーテ 「ファウスト」 第二部 第五幕 真夜中 より

 

 真夜中に四人の灰色の女が来て、ファウストの棲む宮殿から、第一の女《不足》Mangel、第二の女《罪》Schuld、そして第四の女《苦しみ》Nothの三人は、受け入れてくれないものと観念して去ったあと、鍵穴からそっと入り、残ったのは第三の女《憂い》Sorgeである。

・11398行 :ファウスト:    Im Pallast 

 四人来て 三人帰ったな

 話の意味は よく 聞き取れなかったが 

 余韻のように ノートNoth(苦しみ)  という言葉は 

 耳に 残っている そして そこに

 押韻するように 陰気に 聞こえたのは

 確か トート Tod(死) という 言葉だった

 それはともかく 虚ろで 妖怪じみた にぶい

 声には 違いなかった おれは まだ 

 本当に 自由な世界に 到達できたとは

 思ってはおらぬ だが おれは ただ

 行く道から 魔法は 遠ざけて 呪文は

 御法度に したいだけなのだ そして

 自然の中で 人間として 立ち 

 本当の 生きがいとは 何か 感じたいのだ

 おれは これまでは 確かに 暗い魔法に

 足を 踏み入れたり 冒瀆にも 身も世も

 言葉で 呪ってみたり してきたのは 間違いない

 だが  今のわたしは どうしたら そこから 

 解脱できるのか 分からぬが 稀に 一日だけでもいい

 昼には 晴れやかな 微笑みを 抱き 夜には 

 そんな 虚妄の網から 抜け出せることが 

    できればと 思う  しかし 事実は 

    それとは 裏腹に 早春の野を 

    楽し気に 見て帰っても 鳥が啼けば 

   キョウ   凶...と 聞こえてくる  そんな風だから 

  明けても 暮れても 迷信に付きまとわれ 

怪しい蔭や そんな兆しに ひとり 

怯えてばかり いるのだ

・・・ うぬ 門が かたりと 音をたてたな

誰か そこにいるのか?... 

 

 11421行 :  憂い Die Sorge

ノーとは 云えないわね 気づかれてしまっては

 ファウスト:   誰だ お前は 

 憂い :  とにかく ここに 来てしまった者よ

 ファウスト : さっさと 立ち去ることだな 用はない

     

Vier sah ich kommen, drey nur gehn,

Den Sinn der Rede konnt' ich nicht verstehn,

Es klang so nach  als hiesse es  <Noth>

Ein dustres Reimwort folgte  <Tod>.

Es tonte hohl, gespensterhaft, gedampft,

Noch hab ich mich ins Freye nicht gekampt.

Konnt ich Magie von meinem  Pfad entfernen

Die Zauber-Spruche ganz und gar verlernen......~11406..

        ファウスト」 第二部第五幕 真夜中 

 

 

* 韻律学 13 ゲーテ 「ファウスト」 第二部第三幕 より

 

  9435- 41行:   Faust;

 このファウストの台詞は古代ギリシアのトリメーター、即ち、3音格詩で書かれている。

 

この不届きな 邪魔者めが 厚かましくも 押し寄せてきたか

 こんな 非常なときに 無意味な 騒ぎは 許されまいぞ

 どんな 美しい使者も 悪い便りを もたらすものは

    醜いもの  それなのに

 おまえときたら なんという 醜女か いつだって 

  悪い便りばかり 携えてくる 

 だが 今日は 気の毒だった 骨折り損の

   草臥れ儲け というものだ

 Verwegne Störung !.. wider-wärtig dringt sie ein,

    Auch nicht in Gefahren mag ich sinnlos Ungestüm,

   Den schönsten Boten Ungücks-Botschaft haßlich ihn,......../

         *Aus; Goethe Samtliche Werke 18-1,

              Letzte Jahre 1827- 32        

         Hanser  Munchner  Ausgabe 1997.

     Kommentar  Faust Ⅱ-3.Akt.  Metrik  S. 945ff.....