HERR*SOMMER-夏目

現代ドイツ作家・詩人の紹介を主に・・・

*ブレヒト散文選 より

*ルクルスと ルクレティウス : ブレヒトより Ⅱ-3 (*20 ) AI.+

老いた前将軍ルクルス。: 彼は、嘗て、全盛期にアジアに出征。すると、ポンペイウスはこの時とばかり、陰謀を巡らし彼を排斥した。 ルクルスが真のアジア征服者だと崇められていることを承知の上で。 ・ 紀元前63年初期。: ローマは政情が不安定で、ポンペイ…

*ブレヒト散文選より; 15-: 詩とレクチャー

詩のレクチャーが終わると、コイナー氏は云った。:: ローマでは,公職の候補者は討論会に出席する際、ポケットのついたローブは着ることが禁じられていました。 そのように、詩人もまた、詩を作る際には心しておかなければいけないのだ。 つまり無作法であっ…

*オデュッセウス: ブレヒトより: Ⅰ-1 (*16)

ギリシアはイタケの王: 策謀家オデュッセウス。 彼は、世の男を魅惑した美声のズィレーネンの島が見えてくると船のマストに、みずからを縛りつけさせた。櫂(かい)を漕(こ)ぐ者らには耳に蝋(ろう)で栓をさせた。 美声に心が乱れぬようにとの配慮から。 島の近…

*ルクルスとルクレティウス: 美食家と詩人;A.+

* 政治家にして美食家ルクルスと詩人にして哲学者ルクレティウス:-- 時代を同じくして 古代の味覚を知る政治家 ルクルスありまた 哲学に精通せし詩人 ルクレティウスあり二人の魂が交わるは 美食と詩なれ・・ ルクルスの宴は豪華にして、食材は選りすぐり、…

* 老子と「道徳経」:ブレヒト より Ⅱ- 1 (*19-)

肩越しに 目を向けた老賢者の眼に映ったのは 衣は破れ 額には皺が走り みるからに 寂れた風袋の男 : 老賢者は その男に云った :求められたからには 応じよう 牛から降りると それから 七日間 口述筆記 その間 税関番は 三度の食事を用意し 質素ながら もてな…

* : ブレヒト 「道徳経」より:Ⅱ-2 (*18)

古稀 70になり 衰えを感じた老子は 安らぎを求め 旅立つ : 天なる下では 仁慈も廃れ 邪悪に満ちていたからだ こころ決めるや 荷造りし 毎晩 紫煙を燻らす煙管 愛読書の一巻も 忘れなかった >> 国境の山中へ辿りつき 振り返えり 廣い高原の景色に目を向け 脳…

* ブレヒト散文選より: Nr.14-

他の民族と平和に暮らしている人々が、それぞれ階級闘争をしていることがある。 しかし、他の民族と一旦、戦争になると、階級間の闘争は休戦せざるを得ない。 と同時に、そんな場合でも、階級間の闘争が俄かに、激化することもあり、そんな状態にでもなれば…

*ブレヒト散文選より; 15-: レクチャー

詩のレクチャーが終わると、コイナー氏は云った。:: ローマでは公職の候補者は討論会に出席する際、ポケットのついたローブは着ることが禁じられていました。 そのように、詩人もまた、詩を作る際には心しておかなければいけない。つまり無作法であってはな…